偽装請負
出張の行き来の飛行機のなかでたっぷり読書ができました。家から持って来たのはある方が「愛ちゃんこれは読むかちがあるよ!」ともらった、朝日新聞の特別報道チームが出した「偽装請負」格差社会の労働の実態を記録した本です。
「偽装請負」ってなに? 若者や労働者の皆さんと話すといわれます。
例えば派遣会社の労働者として企業の現場で働いていても、業務上の指揮命令はあくまでも労働者を雇用している派遣会社から受けるという関係であれば問題は無いのですが、現実には現場で労働者に対し企業側の社員が指揮命令をしています。そうなれば「偽装請負」です。
この本で実態を告白している青年労働者はユニオン(労働組合)に相談するまで自分自身が偽装請負になっている事に気付きませんでした。 そうですよね!企業側は安い賃金でいつでも都合よくやめさせることの出来る使い勝手のいい扱いをしてきました。労働者達に「偽装請負」をしているなんて言うはずもありません。
しかし、労働者の告発によっていろんな実態がわかってきました。
著者の朝日新聞の特別報道チームは「偽装請負」の蔓延がどのような労働生活実態をつくり出しているのかに問題視し、全国の津々浦々に入り、取材。そしてそのことが労働者の告発とつながり、派遣業者や企業のひどい実態を暴くことになりました。さすがです!!政治の場、国会でも取り上げられ「偽装請負」が社会的問題として論議されるようになりました。
本からみえる過酷な現場の実態に涙がとまりません。就職氷河期といわれ、最もひどい状況に陥っている25歳から35歳の青年が本に登場してきますが私も32歳です。23歳で不当解雇を受けた時などの思いと重なり、労働現場の実態が痛いほどわかります。「偽装請負」をほうっておいては日本の未来はありません。
若者達こそ、日本の将来を担い社会を形成していきます。子どもがまともに産み育てられない今の異常な姿を告発しているこの本を私も皆さんに読んで頂きたいと思いました。
本に紹介されている若者達とともに偽装請負の告発、労働運動で闘っているのが青年ユニオン(だれでもはいれる組合)の若者達です。いま、若者たちが社会の矛盾にしっかり向き合い動き始めています。 身近に痛みがわかるからこそ、黙ってはいられない!!この本から勇気をたくさん、もらいました!!
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