格差社会と女性の働き方
神戸女子学院大学・石川康宏教授の講演を聞いて!
格差社会とジェンダー~女性の働き方・生き方~
《第3分科会》 格差社会とジェンダー~女性の働き方・生き方~
講師:神戸女子学院大学・石川康宏(教授)
1、
① 格差社会の中身は貧困層の拡大。総世帯の平均所得は99年649万円から04年589万円へ。60万円も平均所得が減っている。労働時間は世界で最長の日本、1位日本・年間2300時間、2位・年間1500時間、3位・年間1300時間
② ジェンダーとは生物的性差に対しての社会的に文化的な差があること。その人の考え方が変わればすむ問題(観念論的認識論)として思われていることが多い。
2、
① なぜ、「ジェンダーに」に着目するのか
女子大で「経済学」を教えるにあたって色んな問題点が見えてくる。働く女性の50%が非正規で、就職、職場での差別やセクハラなどの実態がある。今まで「経済学」では、労使関係についてはあるが、男女関係についてはない状況。(性別が登場しない労使関係)。また、労使関係学には専業主婦がでてこない。「労働者階級」ということで「男性労働者」のみ研究しているのではないか?女性はこの点でも「特殊」に扱われていると思える。
② 大学のフェミニスト(キャリア女性)たちとの交流のなかで「マルクス主義は女性解放に役立たない」と言われた。なぜなら、実際の運動の中心で男性中心主義のところがあるからとの評価。
③ 研究者として先生はエンゲルスやベーベルが言ってきたことは100年経っているが、今どう考えるか、と言う視点で現実社会が必要とする理論課題に力の範囲で応えていきたいと石川先生は話していました。
3、
女性労働者の位置付けについて、成人女性の半数を経済関係に位置付けることのできない資本主義論でよいのかと言う問題意識。
① 全労働者の分断と賃金抑制の手段として、不満をそらすため女性労働者が扱われている。
② 主婦の社会的な位置付けについて、消費生活の主体、平和・住民・女性運動の担い手という政治的評価はあるけれども。「生産関係の外にあるから経済学の根本問題にならない」と言うような観点で正面からの分析の対象とされていない問題。
③ 女性解放・男女平等の達成の見通しについて、女性解放を社会全体の改革にむすんだエンゲルスはすごい。男女変化は社会の労使関係に深く結びついていると考える。働く女性が増えることと家事の社会化の達成は未来社会でいう太い見通しに
③ エンゲルス以後の歴史的条件の変化を組み入れた創造的研究の必要性があると先生はいう。
④ 資本主義の枠内における女性労働の拡大において北欧では高い労働力率(女性の90%、男性とほぼ同じ)・低い賃金格差・・だから離婚も自由にできている。
⑤ 家事の社会化・・・社会保障の形成、家事の機械化・商業化・協同化など、資本主義の中で外注が可能になった。(クリーニング・お惣菜・外食)家事の比重が減ってきている事実。
働く女性(フェミニズム)理論・・極めて多様な理論の現実
憲法で男女平等となったが、財界はちがう。家庭の責任を女性に押し付けている。
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