個人質問と答弁!
08年3月市議会 個人質問 3月13日
日本共産党のはた愛でございます。個人質問を行います。
1 まず、初めに貧困と格差が社会全体の深刻な問題となり、特に高知市では雇用対策、生活保障の充実が政治の喫緊の課題となっています。 どの指標をみても市民の暮らしが大変になっています。国の大企業言いなりで進めてきた労働法制の改悪、規制緩和は非正規といわれるパートやアルバイト、派遣などの不安定な雇用形態、低賃金の労働者を増やしてきました。多くの労働者や未来ある若者たちが、がんばっても、がんばっても貧困から抜け出せない生活に苦しんでいます。貧困を自己責任だとするのではなく、構造的につくり出だされた社会問題として政治が向きあわなければなりません。
そこで実際に、市の公共工事の現場の労働者として働いている青年を紹介したいとおもいます。32歳の彼は現在、警備員として働いています。一日の給料は6000円ですが、最近まで現場への交通費が自己負担だったそうです。仕事があるときの給料は、1か月15万円前後にはなるといいますが、かりに1年通して仕事があったとしても年収180万円にしかなりません。実際は仕事がまともにない月もあり、一か月に10日も仕事がない時は食べていけません。寝る間を惜しんで働き始めて9日目、彼は警備の仕事中に幻覚を見たといいます。若いといっても体はボロボロです。それでもなんとか借金をしながら生活をしていました。そして妻が妊娠したことを喜び共に育てたいと必死にがんばって働いていました。しかし、半年前、彼は「僕たちはどんなにもがいてもこのままだと妊婦検診にもいけない、子供を産むこともできない、助けてほしい」と相談にきました。妻の横で歯を、食いしばり涙をこらえてすべてを話す彼の姿を私は忘れることができません。生活保護を受けることで無事に赤ちゃんを産むことも自分が病院に行くこともできました。今も働いていますが生活保護を受けなければ子供を育てることができない状況はかわっていません。働いても、働いても子供を産み育て暮らしていくこともできない若者たちが彼らだけでなく増えているのが現実です。こんな社会にどうしてなったのか?どうすれば良くなるのか?政治や行政がこの現実にしっかり向き会わなければならないと思います。
市長は若者などに広がる働く貧困層の状況に対し、12月議会で「本市の事業でワーキングプアを出すことがあってはならない」と答弁をしました。しかし、一方で市の職員の非正規化が進んでいますし、公が直接雇っている非正規職員の処遇にとどまらず、行財政改革によってアウトソーシング、業務委託が教育や福祉などの分野でも幅広く進められて行こうとしています。
その末端で公の業務を担う労働者の処遇においても生活保護以下の収入しか得られないような状態を生み出してはならないと思います。まず、基本的な認識について伺います。
● 市長は公共工事などの現場で働くこのような若者の暮らしの実態をどうのように受け止められているのかお聞かせください。
【市長答弁/青年の実態
○ まず最初に,若者層の貧困の実態についてのご質問にお答えします。
○ 質問議員さんは.生活保護を受けなれば.子どもを産み育てること ができないという,厳しい状況に置かれた若者を-例に挙げられました。 精一杯働いても,真面目に働いても,子どもを産むことも,育てることもままならない。また,子どもたちに望むような教育を受けさせてあげられないかもしれない。親として,こんなに辛いことはありません。
○我々は,このような社会を望んでいたわけではこざいませんが、物は豊かになった反面,持てる人と持てない人の格差が急激に拡がりつつあることに、私たちも非常に大きな懸念を抱いているところでございます。特にワーキングプアといわれる方々の層がひろがってまいりますと、いわゆる貧困の連鎖という言葉が最近よく聞かれだしたことですが、その子ども達もまたワーキングプアに転落せざるをえないということも、一つの大きな日本の問題点であることが強く指摘をされております。将来の日本の社会を支えていく若い方々が育たないとうことが、非常に大きな経済的、また社会の問題としても大きな問題だと指摘されてきているところでございまして、私たちもそのことに対して大きな憂慮をしているところでございます。
○ 行政の中で出来るだけの手を打つということが大事でございますが、もう一つ、根本的には,ドイツなど例に見られますように,同一労働同一賃金というのがドイツの手法でございますが、そういう原則が、きちっと国におかれても論議をされ、どういう形で現在の状況を改善できるか、ということを国を含め本格的に論議しなければいけない時期にさしかかっていると思っております。
○ 安心して働ける雇用の確保の場や、また、いろんな意味での産業の誘致、企業の誘致,雇用の確保にいろんな方面で取り組んでまいらないといけないと考えておりましたて、可能な限りワーキングプアの解消を図ってまいるために、如何にして高知市がどういう部分で対応できるかをさらに具体的に検討していかなくてはならないと思っております。】
2 市の発注業務先で「ワーキングプア」をうまない、具体的な仕組みをつくる必要があると思います。
まず、入札や委託発注の基準に労働条件を示すことだと考えますが、その点について、いくつかお伺います。
● この間、高知市も安さを競う、競争入札による発注ではなく品質確保を最優先の目的にしながら、地元業者優先や地域貢献度、丸投げを防ぐなどの配点基準を設けた入札制度「総合評価方式」を土木・建設工事に限ってですが取り入れました。これは前進だと思います。また、平成20年度からは新たに入札・契約制度改革を行なうことが示されました。この改革案は最低制限価格の引き上げなどで極端なダンピングを防ぐための落札基準の改革と一緒に、最低価格の事後公表にともなう圧力への対応マニアルも示されていますし、指定管理やアウトソーシングに関わる契約業務も対象となっており、この2つの改革によりこれまで以上の公正な契約になるものと効果を期待しています。
しかし、問題なのは品質の確保や地元業者が優先されても生活保護基準以下の低賃金、不安定な雇用形態の労働者が増えてしまうような委託、発注となってしまえば地域経済にとって大問題です。品質と労働条件は密接な関係があります。いいものにお金がかかることは当たり前のことです。いい製品やいいサービスを生み出すのは現場の労働者ですから、公の仕事を担う現場の労働者の賃金など労働条件についても一定保障していく仕組みが必要ではないでしょうか?
市には発注者責任がありますから現場の労働者の賃金や労働条件についてもワーキングプアをつくらないように「総合評価方式」制度の中の評価基準や配点などで明確にしていくことが大変重要だと思います。委託価格の設定の積算の際に市独自の単価基準を設けることはやろうと思えば可能なことですから、例えば、最低賃金を1,000円として委託価格を積算していく方法や各職種に見合う賃金単価を明確に示す必要があるのではないでしょうか?
● 独自に積算の際に賃金単価の基準を設け、公表していくことについてのご所見と合わせ、今後「総合評価方式」をどのように検証し、発展させていくお考えかお聞かせください。
【総務部長/総合評価方式
○ 委託価格設定の積算を行う際に,独自に賃金単価の基準を設け,公表していくことについての質問でございますが,
○ 現在,業務委託の予定価格の設定にあたりましては,-部の清掃・警備業務につきましては,高知県労務賃金単価に基づいて積算しておりますが,それ以外は,予算見積りなどの方法に基づいて積算しており,本市独自の賃金単価の基準等は策定しておりません。
○しかしながら,今後,業務委託における統一的な積算方法を定める必要性を感じていることから,適正価格の積算方法につきましては,国の最低賃金法に基づく地域別最低賃金や他都市の情況等を調査しながら.広く検討してまいりたいと考えております。
○また,本年度,土木工事と舗装工事の3件のエ事で試行実施いたしました「総合評価方式」を,来年度はエ種・件数ともに増やし,検証を重ねるとともに,今後,業務委託の分野につきましても,ご質問のありました,労働者の賃金や労働条件といった部分の評価を含め,評価手法の検討を行ってまいりたいと考えております。】
3 次に労働条件を「チェックする体制」の必要性についていくつか質問します。
どうしてそこまで、チェックをしなければならないのかというと、実際、高知市も派遣会社への業務委託を行っていますが、例えば委託先の労働者が現場で同じが仕事をしていても、登録型派遣といわれる日雇い派遣労働者と常用型派遣労働者という身分の違いが出て来た場合、労働者の社会保障に格差が産まれてしまいます。
(表)見てください・・このように、日雇い派遣の場合、契約期間の仕事が終わっても「自己都合あつかい」となり、雇用保険に差が出てきますし、仕事がない期間の休業補償もありません。・・
住民の人権保障を担う公の職場が、若者を使い捨てるような登録型派遣の受け入れ先であっていいはずがありません。
そこで伺いますが、日常継続して必要な市の業務を 日雇い派遣も含でいる登録型の労働者か常用型の労働者なのかも、わからないままで委託することは問題とおもいます。
● 委託先の労働者の雇用形態や契約の中身が法律の範囲内で合法であっても、公の仕事を担う現場の労働者が一体誰で、どのような労働条件で公の仕事を担っているのか?を賃金を含め市が把握するべきではないでしょうか?また、契約の時に発注者の責任として労務管理の調査の受け入れを企業に認めさせ、情報公開を義務づけるべきではないでしょうか?合わせてご所見をお聞かせください。
【総務部長 /チェック体制
○ 委託先の労働者がどのような労働条件で公の仕事を担っているのか把握すべきではないか,また,これを検証するために,契約時に調査の受け入れを義務付けさせ,情報公開を義務付けるべきではないかというご質問ですが,
○ 現在,業務委託の契約書類におきまして,労働基準法等の労働関係法規の遵守を明記するなど,法令遵守することを条件に契約を締結しており,公正労働基準が適正に確保されているものと考えております。
○しかしながら,質の高い公共サービスの実現には,そこで働く人が安心して生活できる労働条件の確保が不可欠でありますことから,法令遵守の確認や雇用形態を把握する方法につきましては,委託業務における低入札価格調査制度等,他都市の事例を調査・研究してまいリたいと考えております。】
つづいて、学校給食の調理業務のアウトソーシングが提案されています。私たちの質問に対し教育長は「給食自体の質は低下させない」と答弁されました。しかし、調理現場が民間委託によってどうなるのかを見なくてはならないと思います。先月東京都、船橋市の学校給食の調理業務の民間委託の実態を視察にいってきました。コスト削減を行う中で、利潤を得ようとするため、調理現場の労働者にしわ寄せを持ち込む結果になっています。民間が雇用した労働者はほとんどパートやアルバイトの労働者です。勤務シフトにおいては朝の部、午後の部、また皿洗いだけなど細かにわかれ、そのたび労働者が変わります。安全衛生面でも大いに疑問がありますが、管理者がフルタイムで日々調整したとしてもそういう働かせかたがいいのでしょうか?
(表)見てください・・例えばパートアルバイトという雇用形態が同じと仮定して比較してもフルタイム8時間で5人役の仕事を4時間で10人で業務をこなしたとしたら、人件費コストは同じで雇用の場の拡大がなされたように見えますが、労働者にとっては社会保障に大きなさが生まれます。1日4時間で週30時間未満の場合は社会保険ありません。また週20時間未満だとそのうえに雇用保険もなくなります。
労働者の犠牲によって品質の確保やコスト削減を行うようなやり方は、間違っています。ましてや公が容認するようなことがあってはならないと思います。
企業の社会的責任や労働者の認識の問題もありますが、税金を使って委託している業務を担う多くの労働者は市民です。若者の多くはまともな雇用の場がなく苦労しています。正規での雇用やまた社会保険、雇用保険の加入を義務づけるなど、市としてできる対策を強く要望します。そこで伺いますが、
● 市の発注業務先でワーキングプアをつくらない取り組みへの考え方と市長の決意をお聞かせください。
【市長/官製ワーキングプアつくらない】
○ 高知市の関連しますいろんな業務の中で、そういう(ワーキングプアの)発生を、どういうふうに抑えていくか、というご質問にお答えを申し上げます。
○ 現在の貧困の拡大、また貧困の連鎖というものを早めに、やっぱり解決していかないと 次ぎの日本を支えて行く労働力が不足をするということも、経済学者の方は大きな観点として指摘をしておりまして、そのことに対する対策をうってまいらないとならないんですが、私たちは今お示しをしておりますアウトソーシングやこれからの市発注のいろんな委託業務の中で、委託仕様の仕様書の決定、また契約にあたりまして、労働条件の確保に関する条件を付してり、従業員の方々の労働実態についての報告を求める対策を検討しているところでございます。本年度から公共工事で「総合評価方式」を、今試行しているところでございますが、今後、また委託業務などの発注に際しまして、公正な労働基準など社会的な価値に配置をする事業者を選定して選ぶという政策入札の手法という、評価もあるわけでございますが、この評価の導入も他都市等でのケースもございますので、先行都市の事例を調査・研究をしていく必要もございます。
○そのこととあわせまして、これからのアウトソーシングの仕様書の作り方につきましても、そういうワーキングプアの皆様方をつくらないという観点で、仕様書の作りこみをしなければならないと思っておりますので、さらに具体的に対応をつめてまいらないと考えております。
【総務部長/官製ワーキングプアつくらない】
○ アウトソーシングなど市発注の委託業務等でワーキングプアをつくらないための取組ついてのご質問ですが,
○ 格差の拡大は国民生活の観点から見ても大きな課題であると考えておりまして,今後のアウトソーシングなど市発注の委託業務等に当たりましては,委託仕様の決定や契約におきまして,労働条件の確保に関する条件を付したり,従業員の労働実態等について報告を求めるようにするなどの対策は検討してまいりたいと考えております。
○ また,本年度から公共工事で試行しております総合評価型の入札方式を発展させる形で,委託業務などの発注に際し公正な労働基準など社会的な価値に配慮する事業者を評価し選ぶという,いわゆる政策入札の手法につきましても、市の政策実現に向けた効果的な手段に成りうるものだと考えておりますので,今後他都市の状況など幅広く研究・検討し取組を進めてまいりたいと考えております。
4 次に自治体が発注した仕事を担う労働者の権利を守るため、「公契約条例」の必要性についてこれまでも議会で求めてきました。
市には「総合評価方式」が設けられ一定、改善の方向へ向かうと期待していますが、社会保障のチェックや労働者の雇用形態の把握などの市独自の政策的対応は条例化しなければ、「総合評価方式」だけでは制度的に難しい面があると思います。
● これまでは「公契約条例までは考えてない」との認識でしたが、社会状況も変わり、今年の市職労との交渉の場において公契約条例の制定は「検討課題であり研究する」との回答がなされました。公契約条例の制定は急ぐ課題と認識されているのか?お聞かせください。
高知市でも幅広い団体から条例化を求める声や運動が広がっています。全国でも条例化の流れがあり、東京都国分寺市は公契約条例の理念を「基本指針」として具体化していく取り組みを始めています。
● 市内での公契約条例を求める声の広がりに対してどうのように受け止められているのか?また具体的に協議をする場を設けて、条例化の研究に取組まれていく必要があると思いますが、今後の取り組みについてのご所見をお聞かせください。
【総務部長/公契約条例
○ 公契約条例の制定への取り組みについてですが,
○これまで,公正労働基準の確保につきましては,労務提供型の委託業務契約におきまして,労働関係法令の遵守規定を契約書に明記し、また、著しいダンピング受注を排除するため,平成19年度から庁舎の清掃業務に,平成20年度からは,建設コンサルタント業務にさらに最低制限価格制度を導入するなど,新たな入札制度改革に取り組んできたところです。
○ しかしながら・公共工事や委託業務等における低価格・低単価の契約・発注の増大により、労働者の賃金・労働条件の低下が進んですることは、憂慮すべき問題であると認識しており、公正労働基準が確保される契約方法や,総合評価方式における社会貢献に取り組む企業への優遇措置のあり方などについては,公共調達におけ 喫緊の課題であると考えております。
○こうした課題解決に向けては,午前中の土居議員さんのご質問でもお答えいたしましたが,社会的価値の実現に向けた,いわゆる政策入札を実施していく必要があり,そのために本市が推進する政策を宣言した公契約条例というべき基本条例の制定が必要でありますので,今後,他都市の情況を幅広く調査・研究し,検討を重ね,質の高い公共サービスの実現に向け取り組んでまいりたいと考えております。
5 次に指定管理者制度やアウトソーシングのあり方について伺います。
行財政改革第2次実施計画のもと2月18日の行財政改革特別委員会で具体的な「アウトソーシング推進計画(案)」「新・定員適正化計画(案)」「外郭団体見直し方針(案)」が示されました。アウトソーシングの事業は教育や福祉など様々な分野にわたっています。しかし、市民の声を反映すべき特別委員会で実際のアウトソーシング対象事業に対する各部局との質疑が全くに近いほどされていません。
● 計画案を出すような状況とは言えないと思います。各部局の議論や委員会での説明責任が十分果たされていないとの行財政改革特別委員会の中間報告について市長はどのように受け止められているのか?お聞かせください。
コスト削減につながったとしても市民のサービス低下、ワーキングプアにつながってしまえば本末転倒です。慎重な判断、十分な議論が求められます。そこで伺いますが、
● コスト削減の視点だけでなく安全性や継続性や専門性など公が担う意義を柱にした議論の積み重ねを最優先にした計画案でなければならないと思います。市長の認識をお聞かせください。議論の進捗状況をみれば提案する時期について見直しをすべきと考えますが市長のご所見をあわせてお聞かせください。
【市長/アウトソーシング計画の見直し
次ぎに行財政改革特別委員会の中間報告について、どのように受け止めているのかとのご質問をいただきました。
○ 本年度に設置されました行財政改革特別委員会では,昨年の9月に事務事業の総点検の進捗状況のご報告させていただいて以降,アウトソーシングに関して,ご意見等を賜ったところでありますが、中間報告においてもご指摘を受けましたとおり、説明がまだまだ十分でなく、十分な論議ができていないという点につきましては,ご指摘をうけておりまして配慮が足らなかったことをお詫び申し上げたいと思います。
○ 今後につきましては,平成21年度にアウトソーシングを予定している各項目の事業につきまして,随時.具体的な進捗状況を項目ごとにご報告申し上げ,ご論議を賜る必要があると感じておりますのでよろしくお願いいたします。
○ コスト削減の視点だけでなく,公が担う意義を柱にした議論の積み重ねを最優先すべきとのご質問もいただきましたが,今回,お示しさせていただておりますアウトソーシング推進計画は,行政が担うべき責任やリスクに関する行政と民間との分担等を明確にしながら民間能力の有効活用が可能な業務をアウトソーシング対象として選定したところであります。ご指摘のありました業務の安全性や安定的な継続性,専門性は他都市の事例を見ましても確保はすることはできると考えているところでございますが、健全な財政基盤を確立するためにも,このお示しさせていただておりますアウトソーシング推進計画は,さらにご意見を聞きながらではございますが、着実な実行をめざしてまいりたいと考えておるところでございます。
○ 計画の提案時期の見直しをしないかどうか、とのご質問もいただきましたが.今後,対象事業のさらに深く掘り下げた検討を深めていく中で,進捗状況が早まるものもございますが、調整期間が必要と判断して,実施時期を遅らすということもあろうかと思います。この術ははさらにツメていかなくてはなりませんが、だだ財政危機が喫緊の課題ということもございますので,できるだけこの工程表にのっとって、この計画を具体化していくことが、現在、私たちの大きな課題ということになっておりますので、現場からのそれぞれの調整は個々にございますが、できる限りこの計画にそった形で、この実現を進めてまいりたいと思っております。やはり実施に当たる時に、多少、前後、前に行ったり後に行ったりすることはこれからも出てくると思いますが、それはまたご報告申しあげながら進めてまいりたいと思っております 】
6 次に企画立案、工事設計にいたっても部内に技術力がないということでコンサルタント会社などへ委託をすることが増えている問題について質問します。民間にある素晴らしいノウハウやアイデアを協力し市民のために使うことはいいことだと思いますが、結果として、問題や事故が起きた時、いくら企業が作ったもので、任せていたこととしても、市は責任を当然問われます。そういう点を考えれば市には委託事業の中身について技術の専門性を持ってきちんとチャックでき、安全性や価格の評価、品質評価ができる力、専門性、技術力を持っていなくてはならないと思います。そういう職員を増やしていく取り組みが大事だと思います。
● 「技術管理課」の設置については、役割が示されたところですが、技術の専門性が活かされることによって、コンサルタントへの委託料軽減や品質の確保に今後、どんな効果がどれぐらい出てくるものと考えられているのか、お聞かせください。
【企画財政部長/技術管理課
○ 現在多くの市発注工事の設計業務を民間の設計業者に委託しております。委託業務の履行状況を調査・監督するとともに,成果晶に対する検収(チェック)を行うことも,技術担当職員の重要な役割となっています。
○ 技術管理課では,設計委託に係る監理業務の基準づくりや職員への技術的指導,技術に関する情報の収集・提供などにより,職員の専門技術能力の向上を支援していくことも大きな任務と考えております。
○ ご質問にごさいました委託料についての経責的な効果を試算することは困難ですが,発注者である市の職員の技術レベルの向上によりまして,受注者,発注者の双方が優れたエ法やコスト縮減等に関する提案を出し合い,より高い品質を確保することができるようになることについては大いに期待されるところです。
○ また,総合評価方式の入札における技術的な審査精度も高まることが期待できますので,入札制度をより実効性のあるものとすることにもつながる効果もあるものと考えております。 】
7 次にものづくり基幹人材育成事業の重要性から県との連携強化を求めて質問します。
この間、地域の様々な業種の方とお話してきました。ほとんどの方が景気の悪さと競争の厳しさの中で生き残るために技能のレベルアップや人材確保が課題と話してくださいました。また、高知の産業を担っている工業会も技術や技能力が製品の品質や価格などの競争力に大きく影響してくることから、人材育成、技能の研修などを求める声が強くあることを「高知県工業会の展望」というレポートで報告しています。しかし、県内の雇用情勢の悪さから、いろんな能力と可能性をもった若者たちがどんどん県外に就職してしまう状況が年々悪化しています。多くの若者たちの県外就職は地域の産業の衰退に拍車をかけているとの心配の声をいろんな場所で耳にします。いま、地元企業が元気になるための対策も大変大事な事だとおもいます。
そこで市は平成19年度から国の雇用対策支援を受けて、新パッケージ事業のなかで商品開発力や地域外営業力やIT等の情報発信やものづくり基幹人材育成など人材育成を中心の雇用対策を高知市雇用創出促進協議会と共に進めています。
● 初年度が終わりますが、特にものづくり人材育成事業に対する評価と課題についてお聞かせください。
【商工観光部長/ものづくり基幹人材育成講座
○ 新パッケージ事業の中の「ものづくり基幹人材育成講座」につきます質問のうち、まず,初年度事業に対する評価と課題についてお答えいたします。
○ この講座は,県外取引が多い機械・金属系製造業を中心としたものづくり産業において,各企業の中核人材の育成を通じて技術力の向上が図られることによって,受注の拡大や各企業の競争力を強化し,また,販路拡大に伴う事業拡大などによって新たな雇用の創出を目指した内容となっております。
○ また,人材育成の重要性が高知県工業会をはじめ関係各方面で指摘されていることや,人材育成に重点的に取り組んでいる高知県工業技術センターとの連携が可能となったこともこの講座が開設できた大きな要因となっております。
○ 講座の具体的な内容といたしましては,製造業の基幹技術であります「材料試験」「機械計測」「機器分析」「組込み技術」の4つのコースから構成しており,理論,基礎,実践を踏まえた実習を中心としたものであります。定員は各コース5名,計20名でありましたが,県内のものづくり産業を牽引する17社から21名の従業員の方々が参加し,仕事を終えた後,夜遅くまで熱心に受講していただきました。
そのため,参加企業はもちろん、講師となっていただいたエ業技術センター研究員の方々にも大変喜ばれるとともに,今後の受注拡大や企業力強化に向けた取組の一環として,一定の評価をいただいているところです。 】
また、今回のものづくり基幹人材育成事業は県の工業技術センターの協力のもと行われました。実際、私も工業技術センターに視察にいかしていただきましたが、センター独自の技術者養成事業や企業と協力した新商品開発などを行っています。高知のものづくりを土台で支えている、なくてはならない機関だと実感しました。またセンターの機器設備のレベルの高さに県外の大手企業から開発への協力も求められています。 そのうえ平成19年度からは市の「ものづくり人材育成事業」も受け入れてもらっています。座学ではないので一人で3人を教えていますが、研究員24人で通常勤務に加え8名が新パッケージ事業にたずさわっています。土佐清水市や土佐市の食品加工の新パッケージ事業も支援していますし、現状の人員体制では限界で今以上の受講生の拡大は難しいというのが工業技術センター実態でした。そこで伺います。
●工業会や技術アップで生き残りをかけて働いている人たちから、ものづくり基幹人材育成事業への期待と充実の声がありますが、県に重要性を示し、どう連携・発展させていくのか?お聞かせください。
【商工観光部長/ものづくり基幹人材育成事業の発展
○ 次に,ものづくり基幹人材育成講座をどう発展させていくのかということにつきましては、
○ 高知県工業会におきましては,これからの地域間競争を生き抜くための活性化計画を策定されておりますが,その課題として①受注拡大②企業力強化③産業創造を掲げており,そのためには,企業の技術力向上と次世代技術者の育成が重要であると位置づけ,さまざまな取り組みが進められております。
○ この講座を運営していただきました高知県工業技術センターでは,今年度の実績を踏まえ,来年度からは「ものづくり基幹人材育成講座」をべ-スに高知県工業会の活性化計画を支援していくこととしており,工業技術センター独自の取組として、本市で対応出来ない高知市外の県内企業まで対象を拡大していく予定であるとお聞きしております。
○ 本市としましても,活性化計画に基づくエ業会の取組など地域経済の活性化に資する産業界の取組につきましては,県や各関係機関とも連携しながら積極的に支援していかなければならないと考えております。
○ 特に人材育成の分野については,新パッケージ事業の果たす役割が重要であり,今後のものづくり基幹人材育成講座の実施にあたりましては,そのことを踏まえ,工業技術センターはもとより,エ業会など関係団体の皆様方と一層の連携を深め,参加企業数を拡大させることなどにより,より効果的な事業運営に努めてまいりたいと考えております。】
また04年11月の地方自治法の施行令の改正により政策目的の随意契約として「新商品を買い入れる」ことができるようになりました。この分野での地産地消を進める効果があると思います。高知にはすぐれた技術があります。たとえば自動式の地下駐輪場などは全国的にも評価されていますが、県内では採用されていません。高知の企業が県外に新商品を売り込みに行く時に、県庁や県都の高知市で採用されているかどうかで話の進み具合も違ってくると、お聞きしました。
● 市として工業部門だけでなく、幅広い分野で優れた商品の購入を広げて地元企業の努力を評価する積極的な対応がこれから必要だと思いますが、ご所見をお聞かせください。
【総務部長/新商品の政策的購入
○ 公共調達における優れた商品の購入,地元企業の努力を評価する積極的な対応についてのご質問ですが,
○ 平成16年11月の地方自治法施行令改正により,ベンチャー企業の育成という政策目的のために随意契約の対象範囲を拡大することが可能になっており,これにより地元の中小企業やベンチャー企業等が開発した新製品や新技術を地方公共団体が試験的に発注・購入し,使用後はその有用性を評価する事業,いわゆる「トライアル発注制度」が全国的に広がりを見せております。
○ 公共工事における地元企業の新技術等は19年度から試行しております総合評価方式による技術提案の審査の中で一定評価を行ってまいりたいと考えておりますが,さらに地元の新商品など物品購入面につきましてもトライアル発注制度など,先進都市の新たな取り組みを研究しながら検討を進めてまいりたいと考えております。】
8 最後に「まちづくり条例」の必要性について質問します。
この間の、議会へも高層マンション建設に関わるトラブルなどで陳情・請願が相次いで出されてきました。高知城の城内北側への高層マンションの建築計画や新屋敷地区の児童遊園の真南に40メートルもの高層マンションの建設計画など、市民感覚では考えられないような建築申請が出されてきました。今議会も一ツ橋地区から2千名を超す署名と陳情が出されていますが、市は「建築基準法に反してない限り、建築確認は出さざるを得ない」として、建築を認めました。住民は高知の歴史文化や景観を無視するやり方、また子供たちの憩いの遊び場から太陽の光を一年通して奪ってしまう、このような事がまかりと通る現状に、怒りの声が広がっています。この状況を受けて新年度事業では高層マンションなど住民と開発業者のトラブル解消のために高度地区指定にむけた予算も計上されました。また「指導要綱」の改善の検討もされていると聞いています。私はこれを契機にもう一歩前進させる取り組みが必要だとおもいます。
また、先日、高知新聞の声の欄には、県外から帰省した男性が高架になったJRの車窓から見た感想を「高知城の景観は高知の歴史が凝縮され眺めは本物です。それらを取り組んだ街づくりで魅力がさらに増す」と述べています。このような声もいかされる仕組みづくりを市民は願っているとおもいます。
例えば 視察に伺ってきた国分寺市では平成17年にまちづくり条例を制定しています。その背景には高知市と同じく高層マンションの問題などがあったとお聞きしました。
この間「地方分権一括法」で国と地方が対等・協力の関係になり自治体の裁量権が拡充していることをうけて、実効性の確保の点で、1、行政命令 2、違反者の公表 3、罰則を設けています。
例えば担当者は財産権の問題があっても憲法で定められた「幸福追求権」を基礎に、地域にあったルールを定めることは可能と話してくださいました。
大切なことは、国の法律があるのでこれ以上は難しいとするのではなく法と条例は対等と考えて積極的な取り組みが急がれていると思います。
●市として地方分権の時代にふさわしいまちづくりの在り方についての認識をお聞かせください。市独自のまちづくりのルールを住民と共に協議し、その地域にあった、住民合意を基本とした、実行力ある「まちづくり条例」、そして市民がまちづくりを担う力をつける仕組みが必要だと思いますが、ご所見をお聞かせください。
以上で第一問を終わります
【都市整備部長/まちづくり条例
○「まちづくり条例」に関するご質問に,お答えいたします。
○「まちづくり」につきましては.ご指摘のとおり行政主導ではなく市民との協働のもとに進めるべきものであると考えております。このため本市では,平成15年に「高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」を制定し,市民主体の様々な,まちづくり活動を支援しております。
○ また.ハード面では「高知市都市美条例」などのまちづくりに関する条例や「地区計画」などの都市計画制度の一体的で効果的な活用を図ることにより,地域特性に応じた個性的で魅力的なまちづくりを進めているところであります。これまでに月屋敷や鷹匠町で住民主導により建物の高さ制限を盛り込んだ都市計画制度の「地区計画」が策定され、市民と行政のパートナーシップによるまちづくりが進められております。
○ 高層マンション問題への対応といたしましては,高知市中高層建築物指導要綱の充実と併せて、平成20年度から都市計画制度の「高度地区」の調査検討を行ってまいりますので,ご理解を頂きたいと思います。
○ なお,国分寺市などの先進事例等につきましては,その詳細を調査研究してまいりたいと考えております。 】
◆第二問
第二問を行います。
今回の質問で、どうしても執行部のみなさん、市全体、職員のみなさんに訴えたかったのは、地域で働き労働者は企業の利益のためだとか、市のコスト削減の調整弁ではない、という事を強く訴えたかったところです。特に働き方の問題は、パート、アルバイトは本人が自由に決めていると、ニーズがあるんだというとらえ方をする方もございますが、今ほとんどの労働者の方が、大黒柱という方が居て、短時間の労働で低賃金でも暮していけるという状況は変わってきました。突然離婚をしたり、子どもができたり、親が年金暮らしになったり、リストラにあったり、もう生活保護と背中合わせの状態で、多くの市民の方が低賃金で、不安定労働で働いています。特にパート、アルバイトでは、子どもを産み育てる女性が本当につらい思いをしてますので、ぜひ行財政改革の中でのアウトソーシングや指定管理、いろんな工事の発注で、その末端で一生懸命働いている労働者の実態把握に全力をあげて取り組んでいただきたいと思います。
高知市のこの間とりくんできた若者達の雇用支援などは、全国の若者、全国の自治体を励ましているとの評価も頂いていますので、ぜひ幅広く労働条件を確保する、という点で取り組んでいただきたいと要望しておきます。
公契約条例の必要性の問題で、少し紹介したいと思います。兵庫県の尼崎市ですが、昨年の年末に朝日新聞に載りました。公契約条例を求める陳情があり、労組と議員による勉強会が開かれました。経営者側から勉強会に加わったゴミ収集委託業者の社長さんは「自治体コストの削減に協力はしてきたけれど、もう食べられない。働き手が誇りを持てる仕組みづくりが必要だ」と、いうことで公契約条例を会社側も求めています。こういう状況も踏まえ、積極的に、早く協議の場を求める事を強く要望しておきます。
次ぎに質問ですが、アウトソーシング計画の理念について、市長に再度お聞きしますが、コスト削減ありきではなく、理念の中に災害対応だとか、労働条件を確保すると明確に書き込むべきではないでしょうか。お聞きします。
最後に高層マンションの問題です。この間、たいへん住民のみなさんから様々な声が寄せられています。また、市の職員のみなさんも日々その対応に大変な苦労をされていることも理解しています。部長以下みなさんが高度地区指定とか、いろんな取り組みに力をつくしていることも十分理解していますけれど、条例化の中で、実効性のある罰則だとか、行政処分の力がなかったら野放しのような状態が続きますので、ぜひ積極的に取り組んで頂きたいと思います。そこで市長に伺いますが、今回議会に一ツ橋地区から2000名以上の市民のみなさんがマンション建設、そして地域のまちづくりに関する要望とかさねて署名が集まっていますけれども、その署名に対する市長の受け止め、考え方をお聞かせください。
以上で質問を終わります
【市長
○アウトソーシング。コスト削減は目的ですが、実際に発注をしていく場合には、労働条件の確保とか、労働災害対などにつきましても配慮しました仕様書の設定が必要だと考えております。尚、その点につきましては、それぞれ個別にアウトソーシング実施の50項目というものを示しておりますので、他都市ですでにアウトソーシングされておりますところの仕様書の事例、契約書の内容等の確認ということもあわせてしてまいりたいと思いますので、尚、そういうものを踏まえまして仕様書の設定というものをしてまいりたいと思っております。
○高層マンションによる、それぞれ地域での住民運動とのかかわりの中で、現在の指導要綱ではなかなか対応しきれないということが、それぞれの地域で出てきているところが、私たち行政の課題でございます。指導要綱はあくまでも任意のものでございますので、業者側の説明会とか求めておりますが、なかなか斡旋案自体もまとまらないということも多くなっている状況でございます。先ほど都市部長が申し上げましたように、地域で地区計画が設定できましたものに関しては、地区計画で規制をできますが、それ以外ものにつきまして、これからいろんなご要望もございますので、どうしたことが我々として設定ができるかということを、さきぼどの一つ橋のみなさんをはじろいろいろのご要望がだされています。まず高度利用調査ということで調査をはじめたいと思っております。実態から入って、課題、そして、どういう法的な規制が置けれるかということを踏えながら、全体を調整してまいりたいと思いますので、ご理解の願いたいと思います。】
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