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2008.08.07

自治体学校in大阪 1日目

全体会:記念講演
 「自治体学校の到達点にたって持続可能な未来社会をつくろう」
講師:宮本憲一(元滋賀大学学長・元自治体問題研究所理事長)

1、新中央集権か住民自治か・・重大な選択の時期
20世紀は中央集権型であったが今世紀の世界は分権の時代(住民参加・財政措置の仕組みある)の流れ。
この流れは3つに分かれている
第一は1985年EUのヨーロッパ地方自治憲章の基礎的自治体に内政の根幹を移譲することや事務配分にみあった財源の充実を図る民主主義に基づく分権。
   第二はアメリカ、イギリスの新自由主義の「民営化」推進の小さな政府(地域・道州制)つくる競争的分権。
   第三は発展途上国や移行国での民主化による開発独裁の政府が倒れての分権。

◎ 日本はどうか?
日本には分権推進委員会があり、審議の当初は「第一」のヨーロッパ地方自治宣言が参考にされていたが、小泉内閣からスタートし、現在も進められている「構造改革」路線以降は「第二」の競争的分権に変わっている。
その中で起ったことは・・市町村合併、三位一体の改革、社会的規制緩和では環境破壊、災害、非正規、低賃金労働者の増大、医療の荒廃。東京一極集中による地方経済の衰退。
 地域経済の格差は深刻になっている。自治体はなりふりかまわず工場誘致競争を進め第三セクターやPFIなどへ社会サービスを委任し、人件費の削減によって、公共サービスの危機が起っている。先生は今こそ60年代のような地方自治の再生がなければ国民の生活に安心、安全はないと話してくれました。

2、ではどうすればいいのか? 

 先生:「即効薬はない」
    自治体政策にかぎれば当面、道州制を阻止すると共に民主的広域行政について政策議論していかなくてはならない。グローバリゼーション、産業構造の変化、少子高齢化などの条件では福祉、医療、教育、環境、災害防止が公務に求められれば今以上の広域行政の改革は必死であると話しています。今、公務員に必要なことは公共性という社会的使命感をもち憲法の守護者としての士気を高め前進に転ずることが打開の第一歩と述べていました。

3、持続可能な社会と憲法
持続可能な社会とは?どういうものか?どんどん生産すればいい、今儲かればいいではなく、地球環境を維持するということ。世界政治の焦点は地球温暖化などの地球環境問題となっています。温暖化問題も科学の問題から政治問題になった。しかし、日本は京都議定書の主催国であるにもかかわらず、企業の自主的な対策に任せたまま。公的な規制や財政手段をとっていないどころか排出量を増やしている。食料や森林などの再生可能な資源が急激な減少となっています。早い時期にパニックが起きることは確実と先生は明言しました。
 地球環境の維持をするには経済発展のあり方を変えなければならないとしています。

4、足元から持続可能な内発的発展を
ヨーロッパ(EU)は地方自治宣言に基づいて足元から都市を創造する政策をとっています。
① 自然資源の維持可能な管理、自然エネルギーの普及、リサイクルなどの完全循環型社会の樹立。
② 環境保全優先の産業経済システムの構築
③ 維持可能な交通政策。自動車交通の規制、公共交通体系の充実。自転車・歩行者の優先、職住近接(住み働く町)の都市づくり
④ 都市をコンパクトにして農地、森林、水辺の環境の保全。地産地消で都市と農村の共生。
⑤ 環境管理や都市づくりの意思決定のプロセスに住民参加の保障。(EU型)日本の都市再生は東京再生のように環境破壊型である。一方で例えば滋賀県では空いた田んぼに菜の花を植えて油をつくるという完全循環型社会をめざして、菜の花プロジェクトがある。

5、GDPと部門別エネルギー消費量の各国比較から見えること
(2000年、購買力平価基準)

1位 アメリカ・・・613 内 製造業154、運輸262、業務83、家庭114
2位 ドイツ・・・・466      155、  138、  47、  126
3位 イギリス・・・434      116、  148、  48、  121
4位 日本・・・・・415      174、  119、  57、   65
(出所:気候ネットワーク編『地球温暖化防止の市民戦略』中央法規、05年9月、18項)

*このことから日本の部門別のエネルギー消費料では家庭部門がもっとも低いですが製造業では1位のアメリカを超し、最も消費料が大きくなっています。省エネを家庭の努力で改善、向上させようとしても全体からみれば限界が近いことわかります。家庭の問題以上に製造業におけるCo2排出削減の必要性が高いことがわかりました。洞爺湖サミットでも議題となった地球温暖化対策に対する日本政府の姿勢は大企業への対応が無策でした。このことが世界規模の環境問題が問われている時の国としての認識の低さが際立って見えました。

宮本先生の話はいつも課題に思ってきた、「分権時代において地方自治」は今後大事にすべき視点、や政策について学ぶことができました。

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