故・宮本顕冶さんの言葉
宮本 顕治さんとは?
1908年(明治41年)10月17日 - 2007年(平成19年)7月18日)は、日本の政治家(日本共産党)で文芸評論家でもありました。
戦前の非合法政党時代以来の日本共産党活動家で、第二次共産党の最末期には中央委員として党を指導しました。戦後は参議院議員(2期)を務め、日本共産党書記長(第3代)、同党委員長(初代)、日本共産党議長(第2代)を歴任されたかたです。
治安維持法の名のもとで共産党員や労働、平和運動をするものを逮捕投獄、弾圧、拷問することが許された時代から民主主義政治と平和、戦争を反対を貫いてきた日本共産党の指導者です。この時代の国家権力の異常さは・・・・・宮本顕冶さんは12年間も投獄されていました。妻だった宮本百合子さんとの手紙のやり取りが「獄中からの手紙」とう本になっています。すこしずつ読んでいますが、この本から、宮本顕冶さんの色んな姿というか人間性がみえてきます。
現代、貧困と格差が広がり、世界的な規模で新自由主義の破綻が現れはじめています。 働いても働いても食えない世の中、これが人間らしい生活をおくる社会だろうかという怒り!絶望!皆が苦しんでいます。
人間とは?労働とは?政治とは?・・・・大事なことが見えないと若者がいう・・・「蟹工船」という小説が再ブームを起こしています。人間として扱われない労働の実態を事実に基づき書かれた小説です。最後に労働者が団結して立ち上がろうとするシーンが印象的です。この夏、映画化もされます。「蟹工船」を書いたプロレタリア作家、小林多喜二は日本共産党員でした。29歳の若さで、治安維持法によって投獄、拷問をされ虐殺されました。現在は世界的にも高い評価を受けている小林多喜二の作品ですが、これまでは一面的に歪められ、批判されづづけてきたと聞きました。 この問題に対し、宮本顕冶さんが書かれた文章があります。私はこの言葉、文章がなんとも、頭を離れません。心に深く深く入っていくのです。 生きることへの不当な迫害にたいして・・・
『真の人間性とは何か?』 宮本顕冶
もちろん共産党員個人としても、生きることに反対な人間はおりません。
小林も二十代であれほどの仕事をした作家であります。
お母さんもあった。弟もあった。これにたして彼は非常な愛情をもっていた。
自分の仕事にたいしてもたくさんの抱負を持っていた。
しかし、全力をあげ生きるためには、その生きるということに対して不当に
これを妨害する迫害にたいして、頭をさげない。
下げないということ。
このたたかい方、これはある意味では最もけだかい人間性の発揮の
一つであります。
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