鳥取図書館を視察して
鳥取県・市の図書館を視察して はた
図書館の合築問題を取組むなかで鳥取に視察に行きました。
鳥取では県立図書館と市立図書館がほぼ1キロ半ほどの距離に共存しています。
合併後、県内19市町村の内、18市町村に図書館(本館)があります。
元々図書館は県立として運営されてきているが、昭和62年に大変革があり、各市町村が運営するよう知事から方針がだされ、県立の分館だったのが、現在、市町村営図書館となった。
鳥取市は、平成の大合併によって鳥取市が管轄するエリアは3.5倍に広がった。
新市のとしての図書館・分館の配置状況みたうえで、平成14年に本館が必要だと総合計画に位置づけられ、昭和57年に建てられた鳥取市の図書館を現在の位置に移動改築し、本館という位置づけにした。
現在の位置は旧各市町村の図書館の中心地となっていて、毎日の分館への配送(3時間内)も問題ないということで、立地されることになった。建物自体は元ショッピングセンターを改装して利用している。(元ショッピングセンターなので駐車場は300台入る)施設整備費は10億前後でかなり安上がりに建てられている。
県立と市立の役割分担について
市立=読み物
県立=調べ物
県と市の役割をはっきりさせているので近くに図書館があっても共存できる。無駄ではないと言うことを聞きました。
図書館運営の最大の問題はどこも同じでスペースの確保です。そのスペースが高知の場合、将来においても十分確保できるといえない条件ですし、 ましてや役割が全く違う組織が運営管理を一体化するというは無理があります。当然十分な調査と審議、時間が必要になると思います。
近年、図書館に求められるニーズ・役割も変化しているという。 市立は市民のニーズを把握しなければならないし、市の役割としても独自の選書能力が求められる。
図書館が本読むところだけでなく、問題解決の場となり県民の役に立たなければならないと鳥取県立は、産業・医療・法律などの分野のも関わり、相談・解決に役割をはたしている。 その考え方は、実に県民の心に寄り添っていると感じた。
例えば、医療分野はお医者さんの判断、アドバイスが一番なのですが、病院によって診断結果が違っていたら不安になりますし、病気とわかったら、どう闘えばいいのか?など悩みは付きものです。各患者会の広報誌なども取り扱うなど、鳥取県立図書館はそういった不安に寄り添って、情報を提供したり、解決への道を示したりすることを視点にコーナーを設けています。
他には就職応援コーナーもあり、このコーナーは国の白書でも取り上げられ、高い評価をされているようです。
法律分野では多重債務の問題を解決したい人の立場で、弁護士事務所にいくまでの、準備のお手伝いとなるような取り組みもしています。
産業分野では技術開発に必要なデーターを揃え、資本力の弱い、中小業者が買えない様な高価な本、データーの無料貸し出しを行っています。また県行政が将来向かうべき都市像がわかれば、今、蓄積がないことでも、研究・開発が取り組めるような基盤として、資料を集めるなどしています。
また、職員研修も手厚く行われています。司書の免許、何何の免許があるからで評価せず、日々の仕事を通して専門家をゼロからでも育てていくという意気込み、体制整備もすごいです。
図書館と県民をつなぐのは人、職員であることに館の全体が信念をもって取り組んでおり、職員が専門性を発揮できる、発揮する環境こそが、県民の力にもなっていることがわかりました。
合築・一体化したからと言って、いい図書館ができるというようなものではない。
「 中身 」こそ大事なのだと痛感しました。
県立図書館が市町村の後方支援を中心に行うことは当たり前のことで、そのことは当然、担保されるべきです。
その上で県が県立の役割をきっちり果たす。直接サービスという形で責任をもつことの必要性を学びました。
鳥取県立図書館は人材育成の役目や行政の頭脳としての役割も果たしていました。口だけではありません。具体的に予算化、事業化され、本当に頑張っている所です。こういった職場だからこそ、職員も元気に働き、専門性を高めていけるのだろう!
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