少年補導件数増える
少年補導センター 活動年報から
先日、ニュースで青少年の補導件数が40%増加したと報道されていました。心配になりますうよね。
40%も増える背景に何があるのか、今後どういった対策が行われるのか、少年補導センターにお聞きしました。
補導件数の40%増の数字は毎年4月に報告されている活動年報からで、平成22年と平成23年度の比較によるものです。平成22年度の補導件数は400人、平成23年が554人です。増加した件数が約150人なので40%増加していることになります。年齢別にみると、中2~高1が男女とも最も多く、高知市においては女子の補導件数が増える傾向にあるようです。特段に補導センターが見回り活動を強化したということはなかったようですが、増えた結果になっています。また、延べ件数で報告されていますが、実際は同じ生徒が何回も補導されているケースが半分ほどあるというのが実態だそうです。
補導対象となる行為は、喫煙やエスケープ、不良交友だそうです。 中でも気になるのが、「不良交友」です。具体的に何をしたら不良交友なのか?お聞きすると、例えば自分がタバコを吸っていなくてもタバコを吸っている友達と一緒にいるのも補導対象になります。 この「不良交友」の定義は昨年度から導入された学校警察連携制度の時にも議論がありましたが制度上、警察が補導する場合も問題行動している生徒と一緒にいれば取り締まりの対象とされており、学校への警察の介入を大きく広げることになる問題だと指摘がされてきました。
このことは子どもと学校の信頼関係を壊すことになります。本来、子どもは成長の過程で失敗もします。また学校はやり直すこともできる所です。その現場に警察が介入する、これは本当に必要なことなのだろうか、教育委員会、警察側の説明を聞いても納得できません・・。現場の先生や保護者も強い疑問を抱いているのは事実です。
子どもは失敗をしても学校や家庭での信頼に基づく指導やアドバイスを受けて、誤りを知り、正していく意味もしります。 警察による取り締まりで改善するような簡単なことではないと思います。
人間関係の結び方、信頼する心や関係性、自己肯定感を持つような指導が大事にされる時期だと思います。
補導活動から見える子ども達の苦しみ
実際、どんな補導を行っているのかについて伺うと、高圧的なことはなく「どうしてるのか?」と聞くことが中心で、怒るというより、生徒の話を聞くということを大事にしているそうです。生徒の話を聞く中で見えてくること、多くの子どもが「学校が面白くない」「勉強がついていけない」「友人関係で問題」があると話すそうです。家庭との関係では経済的貧困も少なからず影響しているのではないかと思うケースもあるようです。
学校生活は生徒にとって楽しいことばかりではなく、嫌な事も悲しいこともいろいろありますが、そういった様々なことも含めて受け止めて、成長させてくれるのも学校です。
苦しみ、迷いを抱えている子どもの存在、気持ちにしっかりと向き合えるような支援体制が解決の糸口になるのではないかと思います。疎の為には学校の先生が子どもに寄り添えるような環境整備が早急に必要です。
しかし、現実は学力向上が叫ばれ、子どもも先生も学力テストの対応に追われる毎日です。息の詰まる学校になっているのではないでしょうか。困っている子はどんどん置いていかれ、学校に行かない子をも増やしているのだと思います。
予防対策を検討中
補導センターは、今の状況に対して「予防」が必要という認識に立っています。そこで今後の取り組みとして、タバコへの知識、携帯電話、インターネットなどの使い方を知ってもらう取り組みを現在、検討しているところだそうです。子どもを取り巻き、問題をつくるあらゆることに大人が敏感に対応しなければなりません。
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