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2015.12.18

市議会論戦④ 公共調達条例 

公共事業の現場労働者の処遇改善を求めて!

部長答弁 『現状では、効果は少ない』 

 労働者賃金下限額720円は低すぎです。  10月から公共調達条例が施行された。
条例には工事契約の場合「職種ごと公共工事設計労務単価を基準とする」とあるのに、一律720円としているのは、現場労働者の低賃金解消という条例の趣旨に反する。工事現場の最低賃金の実態は750円(未熟錬工)であり、それおも下回る額です。効果がどこにあるのかと質問。部長は「効果を発揮する場面はすくない」と。また具体的に賃金効果がある職種がないことも認めました。
 
これからの改善に期待が強まる

 改善点の多い条例であることが明らかになりましたが、大事な条例です。賃金など基準の改善に向けて本腰を入れた取組みが必要です。公共事業の現場の皆さんの声をお寄せください。

以下、質問内容

1、公共調達条例にかかわって質問します。

 杭打ち工事の偽装問題が民間建物だけでなく公共施設にも広がる、深刻な問題が起きています。
根本には建物の安全性が企業任せになり、国や自治体が責任を負わない仕組みであることが、調査が進む中で明らかになってきました。今回の事件も元請けは三井住友建設ですが、現場は3次下請け業者で「多重下請け」構造となっており、責任が下へ下へと転嫁されていました。人件費を含み徹底したコスト削減と厳しい工期設定を求められ、それがデーター偽装になったと指摘されています。安全性への信頼を取り戻すために、行政のかかわり、具体的手立てが改めて求められていますが、最も改善が必要な点は「多重下請け」構造を是正することです。つまり、低価格・低労働条件、利益を上げるための無理な工期短縮といった問題を改善する手立てをうつことです。建築業界自身が取り組むべきものですが、公共事業にかかわる事からも、行政側の 責任も当然に問われてきます。
 市も公共事業の品質確保や労働者の処遇改善を進める取組みとして10月から「高知市公共調達条例」をスタートさせました。
9月議会でも質問をいたしましたが、中途半端に終わりましたので、今議会では、条例に照らしてどうか、効果があるのか、の点で市の明確な考え方と改善策を示していただきたいと思います。
今回、設定された基準は、予定価格1億5千万円以上の工事の労働者報酬下限額を720円にすること。と、ひとり親方の場合は設計労務単価の80%とすること。  また、予定価格500万円以上の委託業務や指定管理事業も、労働者報酬下限額を720円とすることです。
対象範囲は市の公共事業のごく一部ですが、労働者の賃金を確保し、公共サービスの質を担保していく意味では条例制定は大きな前進だと思います。
しかし、この労働者下限額720円という設定基準が条例に照らして適正か、条例の趣旨にそったものなのか、この点では言えば問題は大きく2つあります。
 まず1つ目は、条例7条の2では、工事契約の場合「市が工事費の積算に用いる 公共工事設計労務単価において、職種ごとの単価として定められた額とする」としていますが、実際はひとり親方のみが「設計労務単価」を基準とした目安で、その他すべての職種は下限額720円とされている問題点です。
二つ目は、清掃業務等の委託契約の場合も条例規定では「生活保護法第8条第1項に規定する厚生労働大臣の定める基準において本市に適用される額」とされていますが、実際は生活保護法で認められている住宅扶助分は除かれ「住宅費なし」の 下限額720円としている問題点です。
これらが条例にてらして、問題であり、審議のやり直しが必要だと9月議会で  改善を求めましたが、総務部の答弁は「条例に規定している額、つまり公共工事設計労務単価や生活保護基準額と『その他の事情』を勘案して定めるものとされており、・・・額の設定が条例の趣旨とは違うものになっているとは考えていません」とのことでした。 
『その他の事情』を勘案したから、この設定基準になったとしていますが、『その他の事情』を勘案したとしても、条例の規定や趣旨を下回る基準となることは、通常は考えられないことです。

◎ どんな事情が勘案されたのか、総務部長にお聞きします。


 どう見ても条例の趣旨より、『その他の事情』が優先されたとしか、いい言いようがありません。

◎ そもそも『その他の事情』が優先されようがされまいが、条例の規定を下回る基準ができることは、おかしいと思わないのか、総務部長に認識をお聞きします。


「条例」そのものの意義が、問われてくる問題です。

◎ 条例で「設計労務単価」をベースにするとした、意義について、改めて総務部長にお聞きします。 

 国土交通省は、建設業に従事する若年技能者が極端に減少していることに危機感を抱き、若年者が建設業への入職を回避する最大の要因が「賃金の低さ」にあるとして、2013年度から2015年度まで3年間、公共工事設計労務単価を連続的に引き上げました(3年間の引上げ率、単純平均で28.5%)。引き上げに伴い、国は「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」と題する通達を発行していますし、2014年には、成立した改正「公共工事品質確保法」においても、品質確保の上では工事の担い手の確保・育成が最重要課題として、発注者・受注者それぞれの責務を明確にしています。
公共工事設計労務単価は発注側の積算根拠であり、また適切な賃金水準の根拠となっていることからも、尊重される意義は明らかです。単価の引き上げ状況からみても、設定基準に活かされるべき重要な目安なわけです。10月から実施され、出来たばかりの設定基準とはいえ、現場労働者にとっては生活にかかわってくる重大な問題です。建設業界にとっても担い手確保にかかわる大事な問題でもあるはずです。 
では、現場の実態はどうか、公共工事の現場には特殊作業員や塗装工、配管工、大工さんや交通誘導員など、あらゆる技術者が存在します。
公共工事の設計労務単価の中で一番単価が低いのは交通警備員で、1日の賃金の目安は8300円となっています。この交通誘導員の場合、下限額720円というのは設計労務単価の70%以下という水準です。現在、賃金水準が低い職種といわれる塗装工も設計労務単価では1日18,000円です。時給にすると2,250円ですから、下限額720円というのは設計労務単価の32%程度となります。
また市が調査した「賃金アンケート」でも未熟練工の最低の賃金の額でさえ750円です。それにも関らず、ひとり親方を除き、すべて一律720円という水準で、
どうして低賃金の問題が改善につながるといえるのか。疑問です。

◎ 工事契約の場合、今回の設定基準による効果はどこにあるのか、総務部長にお聞きします。

効果があるとは言えないのです。
全国の取り組み状況にも学ぶ必要があると思います。
例えば、高知市は対象工事を1億5千万円からとしていますが、他都市では4千万円や1億円からとして、対象工事割合を広げ多くの労働者に恩恵があるよう努力しています。(高知市の額を越えているのは足立区の1億8千万円だけ)また、委託事業の下限額についても条例で生活保護法を採用している自治体は川崎市、多摩市、厚木市とありますが、高知市の様に「住宅費なし」という所はゼロです。どこも設計労務単価がベースであり、その上で、多くの自治体は、掛率90%としています。高知市は非常に低い水準であることが明らかです。
7月22日に開かれた「高知市公共調達審議会」の議論でも「全国と比べて、突出して額的に低い」という意見や「条例の効果というのはどこに見いだすのか、という話が必ず出てくる」という声、「10月1日から施行が決まっているので、やむなく 了承」という意見が出されていました。 
今回の設定基準が十分いいという様な意見はほとんどなく、議論する時間や材料が少ない中で、急いで出されたものだと言うことが浮き彫りになる審議会でした。


◎ 本来は条例で示されている通り、下限額の設定の基礎は職種ごとの「設計労務単価」とし、その割合も全国平均90%台に引き上げていく、丁寧な議論こそ必要と思います。また、生活保護基準の住宅扶助を含めた設定へも見直す必要があると思います。その点の認識と、今後、審議会に諮問する考えはないのか、市長にお聞きします

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市議会論戦 ③ 介護離職ゼロ

 介護離職ゼロ対策について問う


 安倍政権は社会保障の経費を大幅削減する一方で緊急対策として「介護離職ゼロ」を目指すという宣言をしました。本当に解決に向かう道筋なのか、市町村の役割は何かという観点で質問しました。

現在、全国では介護による離職者は年間10万人を越えていると言われています。
総務省の平成24年就業構造基本調査でみると、家族の介護・看護のために前職を離職した者は、年間約10万人、その内、女性が79%、男性は21%です。年齢別階層で見ると15~39歳が10.6%、40~59歳が50.7%、60歳以上が38.7%と、働き盛りの40代50代が最も多く離職しています。この年代は、子育てでも大変で教育ローンなどの支払いも重なってくる時期です。調査データーからも、働く女性に大きな負担がかかっていることがわかります。
 政府は「介護サービスが利用できず離職した人」1万5千人だけを在宅・施設サービスの対象とし、残り8万5千人には「相談支援」「柔軟な働き方」などで対応するという、きわめて貧弱な計画しか示していません。
離職者や行き場のない高齢者の実態をまったく、つかんでおらず、この様な対応で介護による離職者が減る流れに、転換するとは考えられません。

◎ 国は在宅や施設サービスを整備していくと言っていますが、高知市への影響、改善効果はどれだけあるものなのか、健康福祉部長にお聞きします。

部長答弁 = 現時点では国からの詳細な事業は示されていないため、本市への影響、効果についてはお答えできません。 

 高知市でも年間400名を越す方が、介護を理由に離職していると労働局は報告していますが、50代で親の介護が理由で離職された方に、なぜ、仕事を辞めなければならなかったのかとお聞きすると、親の年金で入れる低料金の施設がなく、在宅介護の道しかなかったと言います。その在宅介護ではホームヘルパー事業やデイサービスを組み合わせて、なんとか仕事と介護の両立をがんばっていたそうですが、介護サービスが足らないことやデイサービスの送り迎えの時間に合わせて仕事をすること自体が難しいなどで、悩んだ末に離職したと話されていました。
 この方だけでなく、多く方がこの様な状況に追いこまれ、苦しんでいると思います。           
 
まず、現状での介護離職者の数と今後の推移の見通しについて、健康福祉部長にお聞きします。

 部長答弁 = 5年ごとに実施される就業構造基本調査によりますと、最新の平成24年度では、ご指摘の通り、本市の介護や看護の離職者数は400人と推計されております。 また、ひとつ前の平成19年における介護、看護の離職者は600人となっており、減っております。
 第6期介護保険事業計画において、施設整備も進め介護サービス等の充実を図り、ご家族の負担軽減に努めているところです。 今後の推移については、要介護認定者数が増えている一方、今後の経済状況の変化にも影響されますので、見通しをお答えするのは困難と考えております。


 見通しは分からないとの答弁ですが、労働局がつかんでいる400人より実態はもっと多いと思います。介護が必要な方のピークは2025年と言われており、さらに増える。受け皿を抜本的に増える見通しがない以上は、介護離職者は増えていくことは確実な流れと思います。


 このまま、何の手立ても打たなければ、高知市でも介護による離職者が増えていきます。 介護離職した方達の話では、せめて仕事と介護が両立できるような支援をして欲しいという訴えがあります。中でも要望が多いのは、年金生活者でも入れる低料金の施設整備です。また、在宅介護の方からは24時間対応で、ニーズに応えて利用できるヘルパー事業や訪問看護事業。デイサービスも時間を延ばすことができないかなど、どれも介護保険がきく範囲での支援を求める声です。どこに、どれだけの手当てをすれば、介護離職者が減るのか、早急に市町村が計画をもつことが必要です。
 それをしなければ、国に予算要求もできませんし、国の予算削減の枠に留まったサービスになってしまいます。市の具体的な取組みを示して頂きたいと思いますが、

介護離職を増やさないために、市として必要な事業とは何か、その上で予算をどれだけ確保していく必要があるのか、健康福祉部長にお聞きします。

部長答弁 = 第6期介護保険事業計画において、ショートステイ20床を併設した。80床の特別養護老人ホームや80床の介護老人保健施設、さらに地域密着型サービス施設を整備することとしております。
 また、ソフト面においては、高齢者の方が自分らしく、生活されている地域で暮らせるよう、地域包括ケアシステムの構築向けて、新たな総合事業による多種多様なサービスの提供のほか、認知症の方々への支援の充実などを確実に実施することで、介護離職数の低下につながって行くものと考えております。国の緊急対策は示されておりませんが、今月下旬には厚生省において説明会が開催される予定となっておりますので、本市おいて効果的な事業展開が可能かどうか見極めて予算確保につとめて参りたい。


 質問終えて、介護離職者が増えていくの流れについて、「見通しはわからない」との答弁はえっつ!と思った。増えていく要素は客観的にみても大ありで、だから政府はゼロ対策を打ち出したわけで、高齢化の先進自治体の高知市として、なぜ、見通しはわからないのだろうか、疑問を感じた。 第5期介護保険事業での施設整備も完了せずの第6期のスタートですから、その点だけを見ても、予定より受け皿は足りていないのは明らかで・・・。 介護保険による事業だけでは、間に合わない。市独自の支援や対策が必要になってきます。2問で市長に介護サービスの質を落とさない、介護離職ゼロのためには一般会計の投入も必要となると思うが、その決意はありますか。と質問。一般会計からの支援の必要性については「否定」しなかった。 これから、どんな聞き取り、ニーズ把握を進めて取り組むのか、見て行かなくてはと思いました。

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2015.12.16

市議会論戦 ②就学援助制度の認定のあり方 

 論戦② 就学援助制度の認定のあり方

 教育長= 「就学援助制度」充実のための協議とお知らせ文書改善の必要性を認める

 就学援助制度の認定にかかわり質問。現在のお知らせ文書には「同じ住所にお住まいの方の所得は生計の状態に関らず、全て合算します」と書いていますが、実は特例として別生計を認めてきたと答弁。
 教育委員会は証明できるものがあれば別生計を認めているのです。そうであれば、お知らせ文書にその旨を書くべきだと質問。教育長は「稀なケースについてお知らせ文書に記載する場合は保護者に分かりやすいよう十分な説明を加えた文書が必要になります」「そうした内容につきましては今後十分に検討してまいりたい」と答弁。

 別生計の証明とは何か。答弁では「別生計を認める場合は税法上、健康保険等の扶養関係がなく、明らかにお互いが独立した生活を営んでいる場合」「独立生計か否かについては申請者が個別の事情に即して、証明するべきものであり、その事が客観的に分かる資料の提出を求める。例えば公共料金等がそれぞれ独立して支払われていることが分かる領収書など」つまり、住民票上、世帯が別であることと、電気・ガス・水道料金を別々に支払っているとする領収書が必要とのことです。
 しかし、同じ住所で公共料金を別々に支払う事は一般的にできないので、この様な運用基準こそ、なくすべきだと求めました。
 他都市では埼玉県朝霞市、滋賀県長浜市は公共料金の領収書まで求めるような取り扱いはせず、申請を受け付け、世帯収入の審査を行っています。
 就学援助制度の運用は市町村が判断することと権限が国から移譲されており、高知市もできる事です。教育を等しく保障するための大事な制度であり、「子どもの貧困対策法」の観点からも制度の充実こそ必要です。
 担当課だけでなく、就学援助制度について考える協議会なりを設け、広く意見を聞き、市民や子育て世帯に開かれた議論と制度改善をすることはできないか、と質問。
 教育長は「協議することは大事であり、検討していく」と、広い協議体の必要性に理解を示した。これまでも、この制度は後退を続けている。教育委員会の内部だけの議論では良いもの、実態にあった支援となるとは考えられない。体制をどう変えて進めていくのか、教育長の取組みを大変期待しています。
 ちなみに、教育長は答弁で先進地の埼玉県朝霞市と滋賀県長浜市に視察すると発言した。この動きがどうなっていくのか・・。

 

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市議会論戦 ① 高等学校等就学費の返還処分 

 15日、個人質問に登壇しました。 質問テーマは1、公共調達条例 2、介護離職ゼロ対策 3、高校等就学費返還処分 4、就学援助制度の認定基準 それぞれ、報告します。
 
  高校等就学費返還問題について

 市長答弁 「もっと丁寧な対応をすべきだった。関係者におわび申しあげる」 

以下、質問内容
 
 母子家庭の生活保護世帯の高校生から高等学校等就学費を全額返還させた、市の処分について、9月議会で、やるべき聞き取りをせず、行った、処分は不当であり撤回すべきと質問しました。市は聞き取りをしていない事は認めましたが、処分の取消しはしないという答弁に終わりました。
 しかし、11月に市は処分が間違っていたとして取消し通知を出しました。 理由は、聞き取り調査をした結果、全額返還処分が間違いだったからとしていますが、なぜ、この様なことが起きるのか。市長が発言してきた「貧困の連鎖を断ち切る」という事に生活保護行政すらが、立ちきっていないと、思えてなりません。

◎ 福祉事務所が行った今回の「処分取消し」について、当事者の高校生に市長はどう説明しますか


市長答弁 「クラブ活動費など必要な経費について十分な聞き取りが行われていなかったことについては、もう少し丁寧な対応をすべきであったと考えており、関係者の皆さまにおわび申しあげますとともに、当事者の高校生には、勉学に励み、夢を実現していただきたいと思います。」


 質問を終えての思い 

 聞き取り調査した結果、処分取消にいたったとの答弁ですが、そもそも、聞き取り調査もせずに、返還処分を下したこと自体が問題であり、9月時点で処分を取り消し、聞き取り調査するというのが、道理だと思います。
 高知県に不服審査請求が9月に出されているが、県は2ヶ月以上も経つのになんの回答もしていないことも、おかしい。 市は処分を撤回し、就学費は戻す決定で進めている。現状は改善さているの事実、良いことだが、県が申請の却下であっても、理由を述べることが必要と思う。 それが県民の声に応える姿勢ではないか、取り下げまちをする姿勢に疑問を感じた。

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