臨床心理学者が語る「女性と憲法」
心の安心といのちの安全を
「戦争神経症」から見る現代社会
記念講演では平和を維持する為に、教育臨床心理学者の横湯園子さんが、若い世代にどう戦争の悲惨さを
イメージしてもらうかと語る。
戦争は弾圧と貧困とともにやってくると。今の戦争法や特定秘密保護法、共謀罪など国の動きから、
戦争が近い「戦争前夜」と思うと。防がねば、という危機感と恐怖が一緒にくる感覚があると話します。
戦争の実感がない世代に伝えたい
現代でも、たとえ戦場に行かなくても「戦争神経症」PTSD(トラウマ)は起きえる。
例えば、いじめ、不登校、暴力、虐待、パワハラによる神経症だ。
背景には貧困、働き過ぎなどの社会問題があると指摘する。
(いじめの特徴は、孤立化→無力化→透明化。独裁者が行なう特徴とも一致するという)
ベトナム戦争後、神経症が位置づけられた。フラッシュバック等の研究が進むが、元兵士による銃乱射事件
やDV、虐待など、アメリカの実態が問題の大きさ、深刻さを物語っている。
ベトナム戦争当時、愛国心があるといわれる若者、中でも17歳が選抜され戦場に送られた。
17歳を選んだ理由は95%が人にむけ銃を発射できるという調査結果からだ。
太平洋戦争が終わっていない人々
日本では太平洋戦争で神経症となり入院した方、8400人の病床日記が存在。(旧国府台陸軍病院)
戦後71年が過ぎ90代となった患者の約25%は、いまだ症状が治らず、苦しんでいる。今も戦争中なのだ。
治っていると思ってもフラッシュバックはいつでも起きるという。一生苦しめられる。
命の重み、尊さ、PTSD、戦争の怖さを肌身に感じることができた記念講演でした。
身近な出来事から感じること
命を守る病院で点滴に異物を混入し殺害する事件がおきた。
一般的に1ヵ月の入院患者の死亡率は20%台というが、事件を起こした病院の死亡率は50%台だった。
異常に高い死亡率なのに院長は「少し多いと思った」と話す。
異常さを感じていない姿や言葉に、えたいのわからない、怖さを感じる。
前には、相模原市の障害者施設での殺傷事件があった。また虐待死やいじめによる暴力死など、弱者を
狙った非情な事件は、相次いでいる。
背景には貧困と暴力、人権無視という社会問題があると思う。
臨床心理学者の横湯先生が話してくれた「戦争前夜」と同じ状況だ。
先生が言う人間的感情が奪われる社会になっているのか。
だとすると「独裁国家のようだ」という指摘は間違っていない。
戦争賛美する日本会議の政治家たちは平気な顔で「国民主権は不在」という2016年。
Comments