12月市議会 ① いじめ「重体事態」への対応について
① いじめ重大事態について
⇒ 重大事態ケースを初めて認める。 しかし、昨年からの保護者の再三の訴えを受け止めず、重大事態との扱いと認識が示されたのは、今年の11月(文書報告)。
答弁で、市教委は「当初から重大事態の恐れもあると学校から聞いて話を共有していた」などという。
学校も、市教委も重大事態の捉えをするなら、保護者に報告する必要がある。
文科省の「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」の調査実施中の経過の報告の中では、「学校の設置者及び学校は、調査中であることを理由に、被害児童生徒・保護者に対する説明を拒むようなことがあってはならず、調査の進捗等の経過報告を行なう」と明記している。つまり、保護者に報告がないことがおかしい事になる。当該保護者からは「教育長の答弁は事実を述べていないどころか、嘘である」との強い怒りが寄せられた。
市教委は保護者や市議会から調査すべきと指摘され、調査し11月に報告した。 調査の範囲に疑問はあるが、現時点で小学校1件、中学校1件。
また、教育長の答弁は、いじめの年度別認定件数については、明確に示したが重大事態の有無については「文部省の調査が統計法第41条・43条にある業務に関して知り得た個人、法人、その他の団体の秘密を漏らしてはならないとの守秘義務に規定される」ためとして答えられないとしたが、平成29年3月文部科学省作成の「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」第8に明記されている『個人情報の保護』では、次の様に書かれている①「調査結果の公表に当り、個別の情報を開示するか否かは各地方公共団体の情報公開条例等に照らして適切に判断する」②「・・学校の設置者及び学校として、各地方公共団体の情報公開条例等に照らして不開示とする部分を除いた部分を適切に整理して開示すること。学校の設置者及び学校は、いたずらに個人情報保護を盾に説明を怠るようなことがあってはならない。」である。
市教委の答弁は当該法律のガイドラインからしても、また市の情報公開条例に基づく類似例の扱いから見ても不適切(不当)な判断、答弁と言わざるを得ない。
行政文書は原則「公開」である考えに基づき、説明する責任が行政にはある。
以下、質問原稿内容
1、いじめ「重大事態」への対応について
平成25年6月、国はいじめ防止対策推進法を制定し翌26年6月に高知市は「高知市いじめ防止基本方針」を策定しました。この法律の特徴は複雑かつ多様化する、いじめの早期発見・早期対応を組織的に取り組める様「重大事態」という新たな定義を示し、その措置、被害者支援を行政が積極的に行うものとしました。
質問の主旨・思いは、いじめの発見や認知件数が増えたから悪いとか、そういうことを問いたいわけではありません。市の基本方針にも書かれてありますが、いかに、いじめが人権・命に関る重大な問題であるのか、自殺に追い込まれる生徒をなぜ、生んでいるのか、その実態を受け止め、問題を隠さず、適切な対応をすることが大事だということです。
その為には、生徒に目が行き届く、真にゆとりある学校環境を作ることが、学力以上に今の教育には求められていると思います。そう言う立場からの質問です。
最近では南国市の中学生男子が、いじめが原因で自殺に至り、その調査にあたって学校、行政のあり方が非常にずさんで、調査委員会は議事録さえ残していないことが明らかになりました。改めて、調査のあり方や、こどもや保護者に寄り添う姿勢が行政に問われているところです。 いじめ対策は今に始まったことではありません。しかし、増加傾向である事が非常に心配されています。
平成25年国立教育政策研究所の「いじめ追跡調査2010~2012」の結果では、暴力を伴わない、いじめ(仲間はずれ、無視、陰口など)を小学校4年生~中学校3年生の6年間で、被害経験も加害経験も全く持たなかったと回答した児童生徒はたった1割程度しかいなかった。加えて「観衆」として、はやしたてたり、暗黙の了解を与えている「傍観者」などが、いじめを助長していると指摘し、いじめを容認しない雰囲気が形成される必要があると報告しています。
◎ まず、いじめ防止対策推進法の第28条に定められた「重大事態」の定義とは何か、簡潔に説明してください。あわせて、学校、市教委、市長の役割についても説明してください。教育長にお聞きします。
重大事態の定義とは: ①児童生徒が自殺を企図した場合、 ②身体に重大な被害を負った場合、
③金品等に重大な被害を被った場合、④精神性の疾患を発症した場合、
⑤いじめに起因し不登校となった場合、⑥児童生徒・保護者から申し立てた場合
1号「生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑い」
2号「相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑い」
(年間30日が目安、一定期間、連続して欠席しているような場合)
*学校 ⇒ 発生を市教委に報告⇒調査を実施⇒調査結果を市教委に報告。市長からの再調査など
*市教委 ⇒調査主体を判断⇒「高知市いじめ防止等対策委員会」へ諮問・調査・答申⇒市長報告
*市長 ⇒「高知市いじめ問題再調査委員会」へ諮問・再調査 ⇒再調査の結果を議会に報告
◎ いじめ防止対策推進法ができてからの高知市のいじめ認知件数は小中合わせて毎年、何件あるのか。平成29年度は7月時点の数字をお示しください。また、その内「重大事態」の定義にあたるケースはあったのかどうか、教育長にお聞きします。
(*11月報告書が来た!いじめの認知件数の内、受診・通院・服薬している事実があるものが、29年度現在で小学校1件、中学校で1件あるとのこと、どうして議会では答えられないのか。件数を聞いているのであり、個人情報漏洩にはあたらない、非常に問題の答弁である)
(いじめ認知:小中合計 平成26年度 129件 平成27年度405件 平成28年度496件 平成29年度(7月) 225件)
重大事態の報告は、学校から市町村へ、そして県へ、県は国に報告することになっています。 市はフロー図に従って対応するとの事ですが。報告のあった「重大事態」について、この間、市教委がどの様な対応してきたのか以下質問します。
現在、いじめにより長期不登校状態になっている高知市の生徒について、保護者の了解を得ていますので、お聞きしますが、市教委はこの件について、平成28年度の「重大事態」の扱いとなるという報告を今年の11月に行いましたが、
◎ その判断理由は、重大事態の定義で言えば何にあたるものなのか。教育長にお聞きします。
問題なのは、なぜ、今になって平成28度の「重大事態」認定なのか。平成28年にいじめにより、長期不登校状態になるなど、明らかに「重大事態」にあたる可能性が高いことが判断できたと思います。
◎ 学校から市教委に対して「重大事態」のおそれがあるのではないかとの報告はあったのか、それはいつか、教育長にお聞きします。
保護者の方は、いくどとなく学校に対して「重大事態」と捉えての調査や理解ある支援を求めてきました。単に認定したから、いいというものではなく、保護者の訴えが1年近く学校にも市教委にも、結果として無視されてきたという事が問題です。
◎ 市教委として今回の学校の対応と結果についてどう認識しているのか、教育長にお聞きします。
もっと早くに対応がとれていたのではないかと思えてしかたありません。
どうして、これほどまで遅くなったのか、その検証が必要だと思います。
いじめ防止対策推進法や高知市の基本方針でも示されている様に、重大事態のおそれがあると学校から調査の報告が市教委に上がれば、市教委は「高知市いじめ防止等対策委員会」を開き、検証や支援のあり方を検討する事ができます。
◎ この対応スキームにのっとり、学校からの報告後は「高知市いじめ防止等対策委員会」を開く必要があると思いますが、市教委の対応について、教育長にお聞きします。
今回、重大事態ケースがあることが分かりました。いじめの事実が明らかになることは、大事なことです。ただ、問題なのは、定義がありながら、学校現場からは積極的な報告が市教委になかったという点や保護者の訴えがスルーされてきたことです。結果として「隠ぺい」といわざるを得ません。当然、他にも同じようなケースがあるのではないかとも思います。
◎ 今回の様に、過去に遡り調査、認定ができるのなら、平成26年、27年にも存在したのではないか、受けるべき支援がないままの児童・生徒がいるかもしれません。同じことが繰り返されない様に市教委が主体となり調査をおこない、適切な対応を考えていく必要があると思いますが、組織的な取り組みへの教育長の認識をお聞きします。
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