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2018.06.21

2018 6月市議会 個人質問 

1、学校給食の民間委託の現場で、残業代未払いが起きた問題について

 高知市は財政再建の手立てとして、経費や人件費削減の為に「民間委託」を大規模に導入してきました。学校給食の調理業務も例外ではなく、委託は47校中20ヵ所へと広がり、秋から始まる念願の中学校給食も、センターで民間委託が導入されます。
 
前回の3月議会で学校給食の民間委託の現場で働く非正規労働者の処遇が、市直営の現場の非正規労働者と比較すると、賃金格差が大きいことや離職率も上がり、人材が集まりにくい職業となっていると指摘し、官民格差の解消と直営に戻す必要があるのではないかと質問しましたが、教育長は2016年に行なった検証で衛生管理や業務運営面で、「市直営と民間委託では評価に大きな差はなかった」「経費削減効果など一定の成果を上げている」と答弁しました。

① 民間委託が始まってから現在まで、どの程度の経費削減がされたのか、その内、人件費分の削減額はいくらなのか、教育長にお聞きします。(2016検証:8年間で約3億5千万円)

 民間委託による経費削減効果とは、そのほとんどが働く市民、労働者の賃金を安くして生まれたものと言えます。低賃金や賃金格差の問題どころか、今回は賃金未払いまで市の委託先で起きている事について、明かにし、改善を求めたいと思います。
平成21年~委託の第1号として、市は県外資本の株式会社メフォスに学校給食の調理業務を委託しています。
株式会社メフォスとは1962年に設立され、現在では資本金10億円、売上高 515億円(2017.3月期)の大手大企業に成長しています。1970年代からは学校給食サービスを始め、現在は全国300ヶ所を超える学校で実績があります。センター方式から自校式まで対応し、また、PFI事業にも参画している企業です。

現在、高知市では委託している20校の内、9校はメフォスが受託しています。
今回、そのメフォスの現場で、賃金未払いが起きたわけです。(2016年当時)パートの給食調理員として時給750円、1日4時間という雇用契約で働いていた方が契約時間を超える残業をしていたにもかかわらず、残業分の賃金が払われていませんでした。
経過を少し紹介します。
当初、本人及び労働組合がメフォスに対して残業代の未払いを指摘し、支払うよう求めていましたが、中々、認めてもらえないので、労働局に相談することを伝えると、とたんメフォス側は本人と労働組合側が指摘していた金額を全額支払うので第三者に漏らさないことを条件にすると回答してきました。これは、まさに口止め料を意味するものと思います。
当然、口止め料的なお金を受けることはできないので、労働組合と本人が労働局に相談することになりました。労働局は5月9日、株式会社メフォスに対して立ち入り調査を行ない、結果、労働基準法第24条の違反であるため「是正勧告書」と「指導書」を通知しました。その後、メフォスは労働局が示した支払い期日までに、労働者に対して未払い分を支払っています。

② 市教委はこの残業代未払いの件について、事実確認をしているのかどうか、あわせて「是正勧告書」の内容も含め、メフォス側から聞いている事について、教育長にお聞きします。

  

③ 市の委託先で残業代未払いが発生していた問題を市長はどう認識しているのか、お聞きします。


④ 今回の残業代未払い問題は、メフォスと市が交わした委託契約書の第6条の「労働基準法、労働災害補償保険法、最低賃金法、その他関係法令の規定を遵守しなければならない」に違反すると思いますが、総務部長の認識をお聞きします。


⑤ 総務部の見解があったわけですが、市教委としてはどう認識しているのか、教育長にお聞きします。


また、契約書には甲(市)の契約解除の権利を定めた第26条があります。内容は「次の号のいずれかに該当すれば文書をもって相手方に通告し、契約の全部又は一部を解除する事ができる」とされています。

⑥ 今回の労働基準法第24条違反という事実は契約書第26条1項の5号の「本契約に関して 乙(メフォス)又は乙の従事者に不正又は不適当な行為があったとき」に該当するものと考えますが、総務部長の認識をお聞きします。

⑦ どんな契約でも法律違反があった場合は、しかるべき対応が必要になると思いますが、今回の件については「指名停止」という判断と対応になるのではないでしょうか、総務部長の見解をお聞きします。

⑧ 市教委はこの問題をどう認識しているのか、その上でメフォスに対する契約解除を含む、検証など、対応をどうしていくつもりなのか、教育長にお聞きします。

  

賃金未払いが1件あったということは、当事者と同じ現場だった方はもちろんの事、同じ労務管理の下で働いてきたと思われる、多くの労働者に関ります。発注者である市はその実態を把握し、是正させることが必要だと思います。

⑨ 現在メフォスに雇用され学校の調理現場で働いている方は市内ではどれぐらい存在しているのか。教育長にお聞きします。


今回の様に元労働者も含めれば、問題は大きく、重大です。
 委託費は税金、つまりその税金を払うべき所に払っていなかったわけです。全体の雇用実態、経過が十分にわからない現状では、労基法や委託契約の第6条、第26条に違反していない、是正されているとは、言い切れないと思います。

⑩ 市教委は6月11日付けで是正と対応を求める通知を送ったということですが、当然、報告を受け、検証をすべき事案と思います。その上で議会にも報告するべき、重大な問題だと思いますが、今後の対応について教育長の見解をお聞きします。
 
 
⇒ 是正と対応を求めた根拠は、契約書のどの条項が根拠なのか聞く。

契約書第16条:「市は乙(メフォス)が委託業務に着手した後に委託業務の履行に不適当な点があると認められるときは乙(メフォス)に対して必要な措置を採るべきことを求めることができる。2項には前項の規定により請求があったときはその請求を受けた日から10日以内にその措置を甲(市)に報告しなければない。とされている。

 高知大学・岩佐和幸教授を中心とする「高知県食健連]が調査チームを組み、今年の2月19日に学校給食の大規模化や民間委託のリスクについての、県内実態を調査した報告書を発表していますが、県内では2000年の香美市土佐山田地区での民間委託を皮切りに、現在14自治体で35ヵ所へと民間委託が増えていることや、受託企業の7割が東京資本であること。また、委託をめぐる価格競争の中で資本力のある大手企業とは対照的に地元資本は落札できない、入札をあきらめているなど、明暗が浮き彫りになっているといいます。
高知市の特徴は委託業者の固定化・独占化が進んでいる事や行政の狙いとは反対に2期目以降、更新時の委託費が2%上昇、児童1人当たりでは5%も上昇しています。行政のコスト削減も限界にきていると報告しています。
市が安上がりを求めた民間委託の結果は企業が儲ける一方で、市民である労働者に不当なしわ寄せを与え、地域経済の視点でみても、マイナスを生み出す状況となっているといわざるを得ません。今までの様な「民間委託万能論」では経済や雇用を悪化させる事になると思いますが。

⑪ 学校給食の調理業務の民間委託については地域経済や雇用の視点から検証も行なう必要があるのでないでしょうか。教育長にお聞きします。
 
民間委託の仕組み上、給食調理業務以外の現場でも、同じ様な問題が起きる心配があります。だからこそ、公共事業に、たずさわる労働者の皆さんへのしわ寄せは、防いでいく取り組みが、さらに重要になっていると思います。

⑫ 例えば、公共調達条例の対象事業を拡大することも、できることの一つだと思います。今後の市の取組み方針など市長の見解をお聞きします。

2、小学校1・2年生で30人超えの、クラスが生まれた問題について 

この4月、市内の小学校3校、横浜新町小・一宮東小・小高坂小の1・2年生で、高知県の教育方針である30人以下のクラス編成が出来なくなっているとの声が保護者から寄せられました。

① まず、その実態と県のクラス編成方針に対する市教委の考え方を教育長にお聞きします。

小高坂小の場合は、1年生が63人だったので、本来は21人のクラスが3つ出来るはずですが、今回は31人と32人の2クラスになり1人の先生が教える生徒の数は10人増えることになりました。これは小人数学級を進める目的の「目の行き届く教育からは遠のく状況となります。
4月19日、母親たちが市教委に申し入れを行い1・2年生での30人以下学級の継続を求めました。
その申し入れの際、市教委はフリーに動ける先生を置く為など学校の判断で行なわれたと説明しましたが、そうであったとしても1、2年生のクラス編成は30人以下が優先され、その上で県に、加配を求めるのが市教委の責任ではないのでしょうか。

例えば、小高坂小学校が保護者に説明した文書には「学校全体の教員配置状況を踏まえ、学校が十分機能し教育の充実も図っていくために1年生は1学級32人の2学級編成とさせていただきます」とあります。また、他の学校の教員からも「人手がない中の苦渋の選択だった」との意見が寄せられています。どうして現場の子ども達や先生がこの様な苦渋の選択へ追込まれるのでしょうか。

② 30人以下のクラス編成は学校が県へ申請し、その上で必要な教員が配置される約束となっていますが、学校は申請したのか、しなかった場合はどういう理由なのか、教育長にお聞きします。 


法律:教員の標準定数が定められていて、都道府県は、校長、教頭及び教諭等、養護教諭、栄養教諭等、事務職員、特殊教育諸学校の教職員の定数を条例で定めている。①必要となる学級担任、教科担任の教員数を考慮して、学校規模ごとに学級数に乗ずる率(計数)を設定して定められているもの。

⇒ 学校ごとの定数、この定数内配置ができていない学校はあるのか、聞く。
 

また4月19日の保護者の申し入れの際、市教委は「少ない人数ほど目が届くのは当然の事だが、この様な実状が現れた時は県も市も考えなくてはならないと説明されましたが、考える内容とは何でしょうか。

③ 年度途中でも本来の30人以下に戻し、必要なフリー教員を加配する事など、学校が県の方針に基づくクラス編成ができるよう対応を急ぐ必要があると思いますが、今後の具体的な対応策を教育長にお聞きします。


問題の根本は「正規の教員不足」に他ならないと思います。現在、高知市では先生が何人、欠員なのか、また、学校での働き方改革も進められ、タイムカードが導入されている学校もあるとお聞きをしましたが、

④ 労働基準局が過労死など、労災認定を行う基準である、時間外労働月100時間超え、又は病気発症前の2ヶ月~6ヶ月間の平均が月80時間越えの、勤務をしている先生は何人いるのか、教育長にお聞きします。


多忙化の解消の為にも正規教員を増やす努力や民主的な改革をさらに進め、魅力ある仕事だと先生たちが誇れる現場にして欲しいと、多くの市民も子ども達も願っています。県も市も行政は競争の為の学力テストに使うお金や労力があるなら、もっと学校現場に必要な人員こそ配置して欲しいと思います。

3、6月の補正予算案にある、道徳教育モデル事業について 


 平成28年度に続き、今年度も県事業の「道徳教育」のモデル校事業に、高知市では2校分の予算60万円が計上されています。あべ政権のもと教育基本法が改定され、真っ先に行なわれた取組みの一つに「道徳」の教科化があります。この4月から小学校では道徳教科書が配られ、活用されていますが、教科化により道徳という内心も他の教科と同様に通知表の評価の対象とされます。
内心が評価される意味は何か、教科として画一的に学ばす「道徳」とは何なのかと思います。
憲法では人の精神の自由について保障するものとして憲法19条で「思想・良心の自由」を侵してはならないとされています。

①「道徳心」とは、つまり憲法19条の内心にあたると思います。道徳の教科化の中で「内心の自由」は、どう保障されているのか、教育長にお聞きします。

現在使われている、小学校1年生~6年生の道徳教科書を読んでみました。
1年生の教科書の54ページには「かぼちゃのつる」というテーマで、わがままばかりしているとどうなるかを学ぶ話があります。かぼちゃが主人公で、かぼちゃのつるが自分の畑を越えて道路を渡り、他の畑に伸びていく話です。他の生き物達が「人が通る道だから、他の畑だから行ってはダメ
と注意しますが、ぐんぐん伸びて行くかぼちゃ君は、最後に車にひかれて痛い!痛い!と泣きます。そして、教科書は「かぼちゃは涙を流しながらどんなことを思っただろうと考える事を求めていいます。
人の注意を聞かないと痛い目に合う事を学ばせる目的でしょうか。話を聞くことは大事な事ですが、物事がどう危険なのか、また理解できる様に、話し合うことの大切さなどは伝わらない内容だと思いました。終始、言うことを聞かない、かぼちゃくんが悪いという事を教えています。
そもそも、かぼちゃも人間も成長の過程でぐんぐん伸びようとする。知らない世界に触れてみようとする生きものです。教科書を読んで、冒険心や好奇心を良いことに思えなくなる気がしますし、常に周りを気にして生きることを求められているような気持ちになりました。これが、小学校1年生が学ぶ道徳教科書と思うかと、教育の素晴らしさの反面、怖さを覚えます。

また、憲法19条では思想・良心の自由はどう守られているか、大きく3つのことを禁止しています。まず1つには、国が特定の思想を強制したり、推奨することは禁止されています。2つには、国が特定の思想を有すること、また有しないことで刑罰やその他の不利益を加えてはならないとしています。3つには、国が内心の思想を強制的に告白させたり、何らかの手段によって知ることを禁止し、沈黙の自由を保障しています。

 この点から言えば、道徳の教科書は、いちいち内心の告白を求めています。
例えば6年生の教科書の64ページの「手品師」という話では、手品師として劇場に立つ夢をもって練習にはげむ男性が、ひとりぼっちでいる男の子と出会い、今度、手品を見せる約束をしますが、その日突然、大劇場のステージに立つ予定だった手品師の友人が急病で倒れ、代わりに出て欲しいと言われますが、男性は二度とない仕事のチャンスと、男の子との約束の間で迷います。最後は自分の仕事の夢をあきらめて、男の子に会いにいきます。教科書では手品師になったつもりで、手品師の気持ちはどうだったかを聞いていますが、どちらを選んだとしてもいいことで、彼の人生であり、大事な判断です。それをいちいち答えさせる、そして評価をすることは、内心の自由に国が道徳教育を通して、たちいる様なものです。
こども達に、憲法の思想や内心の自由を教える前に、このような道徳教育を小学生から教科とし、通知表に評価していく流れは、個人の上に国家を置くような社会を作るのではないかと危機感をもちます。
前回2年間行なった、モデル校事業の検証では学校ごと、道徳意識がどう変化したかを報告していますが、その内「自尊感情」が評価対象とされ、点数化されています。これは、重大な問題です。

② そもそも自尊感情は点数化する必要があるのでしょうか、また、どういう基準で評価しているのかも含めて、教育長の見解をお聞きします。


 民主主義社会の道徳とは、個人の尊厳と人権を互いに尊重することを基礎にしています。
道徳を上から「こうあるべきだ」と押し付けることはできません。自由な雰囲気のもと多様な価値観が認められ、さまざまな経験や学習、自主的判断で選んでいく中でこそ、自尊感情は形成していくものではないでしょうか。
そのためには、なによりも学校や社会が、個人が尊重される場になることが必要です。社会問題視されている日大アメフト部の問題を見ても、体罰や不合理なルール、校則などの管理一辺倒の学校では、子どもたちが本当の意味での正義感や思いやりを持って人と接するようにはならないと思います。
本来は現実に自分たちが直面している問題を解決する学級活動や子ども自身が話し合い、つくりあげていく行事など、自治的活動こそ大事です。民主主義や人権の尊重の為には、憲法や子どもの権利条約についての学習が不可欠と思いますし、勤労の精神を養うには、労働基準法などを学んでこそ、生きたものになると思います。そして、侵略戦争の歴史を学び、その反省にたってこそ、本当に国を愛し、他国の人びとと連帯し、平和を守る精神を子ども達がはぐくむことができるのではないでしょうか。
 あべ政権の下で道徳を教科化することがいかにおかしく、危険なのか、改めて考える必要があります。政治家トップの首相が森友・加計問題にある様に、あったものを無かった事にする、公文書の改ざんや隠蔽。元文科省の事務次官から「行政が歪められている」と告発を受けても、事実が確認されても、謝罪もしない、処分されるのは部下ばかり。子ども達に善悪を教える道徳を教科化する資格はないと思います。

③ 国や県のモデル事業だからとか、県がお金を出すからいいとか、そう言うものではありません。あべ政権のもと進められている道徳教育に、市教委は何の問題も感じないのでしょうか、認識を教育長にお聞きします。 

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