6月議会 報告 給食委託で労基法違反
高知市の学校給食の民間委託現場で労働基準法第24条に違反
本会議で取上げ、市長は「労働基準監督署からの是正勧告と指道を受けた事案に驚く」「委託先であるので当該事業者に対しては、改善すべきところは、改善するよう強く求めていく」と答弁。
問題点 ① 実態把握は不十分
市教委は「株式会社メフォスは5月9日に是正勧告書と指導書の通知をうけ、5月25日に労働局に対し改善報告を提出した」また「勧告内容は昼食中に翌日の作業の打合せを行ったことや従業員育成の為の3分程度の研修など、いわゆるランンチミーテングが業務時間にあたる」と答弁。
しかし、実態は雇用契約を毎日1時間ほど超える残業となっていた、3分程度の残業ではない。
労働局が立ち入り調査を行ない、明らかに労基法違反と即判断できた部分が今回の是正指導の対象となった。
「ランチミーテング」と言うが、翌日作業の打合せとは、契約の仕様書には「打合せは、注意事項の徹底と事故防止のため、従事者に対して内容の説明及び調理作業の打合せを前日までに行う」と明確に行われるべき業務として位置づけられている。これは食の安全を担保させるという給食業務において非常に大事な業務(仕事)である。市教委は「悪意はない」「認識のちがいと」と問題を薄める答弁をするが、賃金を払っていないというのは、仕事としての認識がない事を意味するのでないか。
また、メフオスは賃金未払いの改善を労働組合等から指摘を受けても中々、認めななかつた上、第三者への口外を口止めすることを条件として払うことを要求してくるなどの対応をしてきた、悪質でないと言えない、市の認識もおかしいと思う。
問題点 ② その他労働者への影響 市教委「口頭で指導」
市教委はメフォスの現場で働いている方は5月1日時点で75名、臨時的雇用の方も含めると90名の方が勤務していると答えた。つまり、元労働者も含めれば、残業代未払いの可能性がある方は90名以上に上るということ。
これは重大、今回、是正勧告が出た1件に留まらない。
市教委は6月11日付けで法令順守の徹底を求めて是正と対応を求める通知文書を株式会社メフォス(西村博夫代表取締役宛)に送ったと答弁。後日、その是正の中で元労働者を含む、調理員が今だ、賃金未払いの可能性があるため改善を求めるという事を求めたかと問うと、市教委はその点について「他にもあったら報告してください」と口頭で指導したという。なぜ、是正文書にいれないのか。問題である。
契約書第16条には「事業者に不適切な行為があったときは、市は必要な措置を求めることができる、2項で請求をうけたら、市に報告しなければならない」とあり、これに当たる労基法違反であり当然、必要な措置として文書通知できることである。委託費には人件費も含まれ積算され支払われている、それが払われていなかった問題であり、重大な問題として市教委は積極的に実態をつかみ、改善進める立場だが、第16条があるにも関らず口頭指導とは市、自ら権利放棄する様なもの、文書通知を求める。
問題点 ③ 地域経済にマイナス
地域経済との関係ではどうか「高知県食健連」の報告では県外資本・大手が落札を繰り返し、委託業者の固定化や独占化が高知市の課題とされている。質問で明かになったのは、現在の委託企業は2社、株式会社メフォスと高南メデイカル(日清医療食品の子会社になっている)。2つとも県外資本であり、つまり高知市の委託企業に地場資本はゼロ。地元資本は落札できない状況が報告書でも指摘されている。委託でなければ、調理員は市が雇用する事になり、税金は100%地域に循環することになる。委託の場合、株式会社や企業の宿命である利益確保は優先されても、その横で今回の様に労働者へのしわ寄せを起こす可能性が高くなる。この点は、いくどとなく民間委託導入時に論議となったが、現実となった。改めて、地域経済の視点での民間委託の検証が必要と思う。
市教委に民間委託の検証を地域経済や雇用の視点で行うよう質問したが、答弁は「パート労働者が多いこと。多様な働き方を選択できること。ニーズに合った働き方を選べることは雇用条件の幅を広げ、より地域雇用の機会拡大につながるのではないかと考えている」とした。雇用の視点がおかしい、委託の現状は官製ワーキングプアをつくっているという認識やそうはさせてはならないという認識がない。
Comments