西敷地への高層ビル撤回求めて質問
市長=無謀な資金計画を認める
50年ものビル計画に白紙撤回を求めた。
市長は「ギリギリまで協議したが折り合いがつかず提案は見送った」と答弁したが、そもそも市、業者どちらかが妥協しない限り、折り合いはつかない。市の「協議を進める」という姿勢は、どちらかが妥協をすることを意味する。
業者との折り合いが付かない部分は多々あるが、中には業者が狙う甘み部分、行政の補助金がある。市は補助制度を活用しない(市は負担をしない)というが、契約上の確約はない。
つまり、市が妥協しない限り補助金制度は、使えない。業者は「甘味、儲け」が減るわけだ。業者は苛立ち、協議は難航する事は明らか。
市長に対し「資金問題がクリアしようとも、またどんなにお金を積まれようとも後退させてならない価値、歴史がここにはある、その事を重く受け止めて白紙撤回して欲しい」と問うが協議を進める姿勢は変わらなかった。怒!
高知大学の反対決議も気にせず
市民団体から「50年先まで及ぶ責任を判断できるのか」「圧倒的な市民の願いはハコモノはいらない、広場がいい」「西敷地の活用は徹底的な情報公開、市民との対話、市民参加を貫くこと」と白紙撤回が出された。また計画の要となる高知大学・地域協働学部の教授会からは「事業破綻が危惧される」との反対決議まで出ているが、市長は「大学の最高意思決定機関は参加すると決めている」と反対意見を軽視した。
高知市文化振興事業団・発行『わがまち百景』
21世紀に伝えたい高知市の風景が紹介されていると本会議質問で紹介した。
選定された中には高知城や追手筋と日曜市、藤波公園の将棋の風景や追手前高校の時計台の風景など、誇れる風景として選ばれている。
一節を紹介『風光明媚な場所ばかりでなく歴史の香りを残す町並みや、心なごむ場所、あるいは高知らしい生活感のある風景などに、人々が大きな愛着を持つのは、風景を物としてだけでなく心の存在として、とらえようとしている証明である。・・だが、このような誇るべき風景を育てるには時間、根気、愛情が不可欠である。その愛着が都市への信頼を生み、やがて誇りとなる。高知市にあって、こうした市民の心の拠り所となっている風景を、市民の共有財産とするとともに、後世に大切に伝えて、都市の個性と風格づくりに役立ていこう』と述べている。
1990年発行の本「わがまち百景」は必見だ。執筆者は総勢85名、当時の選定メンバーには郷土史研究家の広谷喜十郎さんや京都大と高知大名誉教授の山岡亮一さん、日本現代詩人会の片岡文雄さん、高知市助役の宮地英彦さん、高知市文化振興事業団専務理事の渡辺進さん、高知市街路市組合連合会の鎌倉幸次さん、高知新聞社社長の橋井昭六さんなど、わがまちへの熱い思いが綴られている。
なんと、素敵で重みのあるメッセージだろうか。
先人達から託された思いを市長はどう受け止めたのだろう。
業者は自分の銭儲けばかりを追求、異常な強欲さが論戦の中で明らかとなってくる。
断れない市長、何がそうさせるのかと疑う、全ての責任は市長にある。市政や市議会に足らないもの、それは「市民の怒り」だ!
質問が終わった翌朝、窓の外で市鳥、セキレイが鳴いていた。
☆次回、質問戦で改革が見えてきた教育行政と市民要望の高い交通問題、所有者不明地と私道整備補助制度への前向き答弁などを報告する予定。
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