家族農業を保護し支える国際ルール、本年スタート
国連「農民権利宣言」採択、日本政府は棄権
国連は今年から「家族農業10年」と「農民権利宣言」に国際機関や国の責任を明記し、各国で家族農業の振興にむけて取り組めるよう、呼びかけている。
一方、あべ政権の農政は大規模化、企業参入、輸入自由化の拡大であり、家族農業をつぶすもので、国際的流れとは真逆だと農民新聞でも指摘されている。
地域を回る 農家の怒りは深い
安楽寺の紅梅が咲いた、つぼみは北上する様だ。
私も北部へ、円行寺地区で農業や酪農家の苦労を聞く。温暖化は農業にとてつもない打撃を与えていた。作物の成長や収穫時期は狂い、野菜の価格は乱高下を繰り返し、収入はより不安定になっていると言う。自然に逆らえない農業の厳しさを改めて痛感した。
夫を亡くし、ひとりで農家を守っている女性は手についた土を払い、強く握手してくれた。「集落の皆に手伝ってもらってやっと成立っているが、台風でハウスが壊れた時、補助金が出るといっても、また借金せんといかんと思うと、辞めようかと考えた」と。度重なる災害と温暖化の影響で多くの農家が苦しんでいるのに、国はアメリカとのFTA交渉を進め農産物の輸入自由化を広げ、低価格競争という中に農家を追込もうとしている。
農業は命の源であり、国の根幹だ。なぜアメリカの為に農家が犠牲にならなければいけないのか。
高知市農業委員会「新規参入の促進」提言
毎年、農業委員会から市に対して要望書が提出されている。昨年末、農業委員会の皆さんと市議が意見交換をする機会があった。議論の中心は農地、農業をいかに守るか、特に担い手育成は重大な課題となっていることがリアルにわかった。
中古ハウスを確保し、次の担い手へ 市も農業支援に力を入れるとき
一番、印象に残っている政策課題は「新規参入」を支える為の中古ハウスの確保と活用の話だ。
農家の方の話しでは「高齢化で農業を辞める時、ハウスも解体処分する事がよくあるがハウスは貴重な地域の資源であり、有効に利用できないか。新規就農者にとって中古ハウスは初期投資を軽減する効果をうむ。市の農林水産部が関係団体と連携し就農に結びつく、また定着するよう努めてほしい」と。
現在、ハウスの確保は中古であれ、お金がかかる。
借金をしている方がほとんど。支援といえば、新規就農者には「独立自営就農」制度から年間最大150万円が5 年間でるが、5年後の保障はないのが現状。地方も必死で地産地消の努力などで農家の収入を支えてきたが、国はそれに冷水を浴びせる農政だ。
農業も厳しさが続いているからこそ、国連のいう家族農業を守る政策が市にも必要と思う。
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