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2019.10.23

2019 9月市議会 質問 消費税 高齢者の補聴器など

質問項目

1、市長の政治姿勢 消費税や教育

2、高齢者への補聴器助成

3、再生エネルギー消費地として

4、国民宿舎「桂浜荘」指定管理

 

1、市長の政治姿勢

 

 市議会開会日、市長は4期16年の市長就任後の取組みと、各分野の報告や議案についての提案理由を述べられましたが、市民の立場から見れば、重大な変化となっている消費税と教育について、問題認識が感じられない市長説明でしたので、いくつかお伺いします。

 まず、消費税です。10%増税にともなう市民負担は甚大であり、前回も8%へ増税が行われた後、市内のいくつもの事業所が廃業に追い込まれ、空き店舗率は拡大し、雇用の面でも労働基準法違反の賃金未払いや長時間労働が多発し、多くの市民、労働者が苦しんできました。今回、さらに10%へ引き上がれば、その影響は計り知れません。

ある商店街の店主の方は、低率減税やポイント還元があり対応するため、新しいレジを購入したが補助金があっても30万円の負担になると嘆いていました。生き残りをかけて、皆さん必死にやり繰りをされていますが、生活破綻と紙一重の状況です。 

 

  • 消費税増税によって、市民にどの様な影響があるとお考えか、それに対する市の対応策はあるのか、市長にお聞きします。

 

 次、教育についてです。市長説明では「学力向上推進室」が教員の指導力向上や授業改善に役立っており、さらに子ども達の学力向上を図ることとし、また全国一斉学力テストの成績が下がったことを問題だとして、改善策を進めると述べられていますが、テスト主義的な傾向や、慢性的な教員不足の学校現場で何が起きているか、いじめ、不登校、教員の病気退職の急増です。

教員の欠員は9月1日時点で2名、他には特別支援学校を市内へ整備することも急がれるという状況ですし、もっと提起すべき、取り組むべき課題や報告があるのではないでしょうか。

教育とは保障されるべき基礎学力が身につき、その上で成績もあがる、なんと言っても子ども達が楽しい、面白いと学校で学ぶことに意欲がもてる環境づくりこそ重要で、目指すべきです。

 

  • 近年、深刻さが増している、いじめ、不登校問題に対して、市長はどう考えているのか。

また、学力テスト万能論におおわれていると、言われてもしかたがない状況の中で、今一度、すべての学力テストのあり方を総括することも必要なことだと思います、そうした上で新たな改革を教育委員会と共に進めることが大事と思います。子ども達の状況から、これからの教育はどう進んでいく必要があるとお考えか、市長にお聞きします。

(高知市2008年と2017年との比較・推移、いじめは52件が616件,暴力は217件が272件,不登校は347件が368件へ増えている。子供が減っているのにふえている。全国的に10代の自殺率の増加も心配されている。)

 

 

2、高齢者への補聴器助成について質問します。

 

 市内でよく聞く意見には「耳が遠くなり、日常の会話にさえ困っているが、補聴器が高くて買えない」や「回りに迷惑をかけるので、外に出ることを控えている」、「通販で安い物を買ったが結局、雑音が酷くて使わずいる」「年金が少ないので働きたいが、難聴を理由に仕事を解雇、不採用になった」「電話もきこえないので、すべてにつらい」「本当は両耳とも使用した方が良いといわれましたが、あまりに高額なので片耳だけにしました」また、補聴器を草刈り中に落としたり、犬にかじられ壊れたり、再度買うとなるとまた10、20万と費用が係るため我慢するしかないなど、色んな声が寄せられてきました。結果的に補聴器がないことで、家族や地域ともコミュニケーションが十分に取れず「言うた、知らん」などトラブルにもなっています。

高齢者を取り巻く難聴の状況については、国際医療福祉大学の神埼仁教授は著書『補聴器の必要な人』の中で70代男性では23.7%、女性では10.6%、80代男性では36.5%、女性では28.8%の人が難聴者だと指摘し、その原因は動脈硬化による血流障害にあるとされています。さらに、ストレスや睡眠不足、騒音、運動不足なども原因となるといいます。また、難聴になると家族や友人との会話が少なくなり、会合出席や外出の機会がへり、コミュニケーション障害が起こるとされ、そう言う中では認知機能も低下をするそうです。

厚労省も平成24年3月の介護マニュアルの改訂版で、高齢者の引きこもりの要因に「聴覚低下」をあげています。この様な状況からも補聴器は高齢者の生活に欠かせない存在となっています。

 

  • 補聴器の使用が、高齢者の引きこもりや認知機能の低下を予防する事、介護や医療等の負担の軽減にもつながると思いますが、補聴器のさらなる普及の重要性について健康福祉部長のご所見をお聞きします。

 

実際、補聴器の保有率の割合は、日本は欧米に比べても低く、国レベルでも大きな課題となっています。日本補聴器工業界の調査ではイギリスでは47.6%に対し、日本は14.4%と極端に低い保有率です。

なぜ、補聴器が普及しにくいかというと、最大の原因は費用が高いことにあると思います。

補聴器は保険対象外の為、非常に高くなります。市内でお聞きした価格の相場は片耳7万~15万円、難聴の度合いが重度化するにつれ、価格も上がると言われており、高齢者の中には低年金、預貯金も少なく補聴器を買うことをあきらめている世帯が少なくありません。

また、現状の制度では18歳以上の難聴者への支援は、障害者手帳を持っており両耳70デシベル以上でないと、聞こえないという聴覚障害が認定された方のみです。

その場合、生活保護世帯や住民税非課税世帯は自己負担なし、課税世帯は自己負担1割で補聴器の購入ができますが、70デシベル以上とは、難聴基準で言うと、高度難聴で、近くにいる人の話し声を聞き取ることができず、耳元で大声で話しかけられないと、いけない状態です。

また、90デシベル以上は重度難聴で工事現場の騒音や電車の通過音、自動車のクラクションといった音に近い音が聞こえない状態です。補助対象外の軽度難聴は30デシベル~50デシベル未満で、「会話が聞き取りにくくなったかな?」と感じるくらいのレベルです。

また、中度難聴とは50デシベル以上70デシベル未満で、できるだけ近くで話をしてもらわないと聞こえない、テレビのボリュームを大きくしないと聞こえない、周囲の人が何を話しているのか分からないといった状態といわれています。

市内の専門機関の方によると40デシベル以上聞こえない場合は会社でも補聴器をすすめているようです。しかし、軽度・中度の場合は何も支援がない状況です。つまり、加齢によっての難聴が30デシベル以上、70デシベル未満の方は全額自己負担であり、高額な購入費が必要となります。

 

高知市の場合、住民税非課税世帯の70歳代の人口は約26,000人、80代で約16,000人です。

国際医療福祉大学の研究で明らかになった難聴者の出現率は70代平均で17.1%、80代平均で32.6%、この数字で試算すると高知市では住民税非課税の70代は約4,400人、80代では約5,200人程度の方が軽度を含む難聴者ではないかと思われますが、現状の制度をどれだけの方が利用できているでしょうか。

 

  • 現在、障害者手帳を有する場合で補助制度を利用している70歳代の方、80代の方はそれぞれ市内では何人なのか、実績数を、健康福祉部長にお聞きします。

 

現行の制度のハードルは高く、圧倒的多数の方は自己責任となっているわけです。

社会参加は人権であり日常生活を支える意味からも、高齢者の経済的実態に合わせた制度改善や新たな支援に取り組んでいくことが急がれると思います。今や社会問題として議論がされています。

今年3月、参議院財政金融委員会の国会質疑で日本共産党は加齢性難聴者に対する補聴器の補助制度創設に向けた研究を国に求め、厚労省審議官は「補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能低下の予防効果を検証するため研究を進める」と答え、麻生太郎財務大臣も「やらなければならない、必要な問題」と答弁しました。これは非常に大事な答弁、動きだと思います。

また、地方議会からも「国に補聴器購入費用の助成を求める」意見書を採択する動きが増えています。衆議院事務局の集計では27議会が意見書を採択しており、その中には高知県議会や香美市議会があります。高知市議会では6月議会に、国に対して日本共産党市議団から補聴器助成の制度創設を求める意見書が提案されましたが、賛成者少数で否決となり、全国的な流れからは遅れた状態にあると言わざるを得ません。

改めて思うのは、補聴器があれば、家族や地域と共に、はつらつと自分らしく自立した生活ができるということです。社会的、人権的にも、また医療・介護費用の負担軽減の面でも大きな波及効果がある補聴器助成はもっと使える制度にしていくべきと思います。

 

  • 高知市からも国や県に対して、市町村が補聴器助成を積極的に取り組める様に財源支援を求める声をあらゆる機会を通じて上げて欲しいと思いますが、市長の今後の対応をお聞きします。

 

全国では市町村レベルで高齢者への補聴器助成を単独でも行う動きが急速に広がっています。

すでに20の自治体で、両耳70デシベル以上で障害者手帳を持っているという条件が無くても、購入に対する助成を制度化しています。

例えば、北海道北見市では70歳以上、住民税非課税世帯で両耳40デシベル以上、聞こえない方にポケット型の現物給付を行っています。また、千葉県船橋市では65歳以上の所得税非課税世帯に2万円の助成、また浦安市では65歳以上であれば所得制限や難聴レベルも問わず一律3万5千円の補助を行っています。東京都では9つの区で助成制度があり、墨田区は65歳以上の住民税非課税世帯で50デシベル以上、聞こえない方に2万円の助成を行っています。

 

  • 高知市でも70デシベル以下の場合や低所得者にも配慮をした基準で、補聴器購入の助成制度の創設に向け、取り組んで頂きたいと思いますが、健康福祉部長にお聞きします。

 

 

 

3、安全な再生可能エネルギーの「地産地消」について

 

 まず、台風15号で千葉県などでは停電により、熱中症で亡くなる方も確認されています。

お悔やみを申し上げると共に、改めて、電力の分散化、安全な再生可能エネルギーの地産地消化の必要性が示された、災害だと痛感するところです。

それでは質問に入ります、2016年から国によって電力の小売りが全面自由化されましたが、当時の3月市議会で4月から始まる電力の自由化は、自治体が主体となって新電力の立ち上げや、さらに再生可能エネルギーの地産地消化を進めていける可能性があり、新エネビジョンの見直しも含め、市の積極的な取組みを求めました。

その後、2017年12月市会議で市長は「(新しい)新エネルギービジョンを策定する中で,地産地消型のスマートエネルギー都市をテーマに掲げておりますので,将来的には原発に依存しないエネルギーの構築を目指していかなければならないと」と答弁し、翌年2018年6月には改定されたビジョンが示され、課題となる電力使用量全体に占める新エネルギーの自給率を2030年度までには23%へ引き上げていくと位置づけられました。評価できる変化だと思います。

 

電力の自由化から3年以上が経ち、全国での広がりや再生エネルギーの需要の面でも大きな変化があります。再生可能エネルギーを活用する、新電力会社の立ち上げが各地で生まれ、自治体による「新電力」への参入も、今や全国で約40ヵ所となっています。

民間も含め、新たに再生エネルギーの地産地消化を始めた新電力会社に対し、既存の大手電力会社が圧力をかける事態が少なからず生まれています。

新会社による再生可能エネルギー供給の良さは原発に依存しない安全な電力であるということと、料金が安いというメリットがあります。その事で、顧客の獲得競争がうまれ、この間、電力料金の値上げを正当化してきた既存大手電力会社が値下げに踏みきり、利用者にはありがたい変化ですが、新電力にとっては顧客の変動、減少などで不安定な経営におちいる事態もあると聞きます。

一方で、原発エネルギーを使わない新電力の価値が評価をされ、新たな地域産業に発展し、利益を地域に循環をさせているところもあります。

 

そこで、 エネルギージャーナリスト/日本再生可能エネルギー総合研究所(JRRI)代表・北村和也氏の調査報告を紹介したいと思います。『新電力は”不健全なビジネス”か? 福島電力の破綻が意味すること』と題する報告書には『 重要なのは、今後、新電力はどこへ向かうのかということである。すでに小売電気事業を進めている事業者にとってもそうであるが、新たに参入を考えている地域など、民間事業者や自治体にとって、今、目の前で起き始めている新電力の”淘汰”は大きな関心事であるはずである。今後、小売電気事業は大都市を中心とし各地に手を伸ばしていく大手のエネルギー会社などが進める新電力と、(自治体を含む)地域に基盤を持った地域新電力に二分化していくと考える。現在は圧倒的に全国版の(大手)新電力がシェアを持っている。

しかし、その顧客へのアピールは価格や付帯の実利サービスが中心である。一方、地域新電力の売りは地元密着性である。全国的な新電力の顧客は価格で結び付いているので、より安い価格になびき易い。顧客を取ったり取られたりということがすでに頻繁に起きている。一方、地域性での結びつきは価格に左右されにくく、契約が長く続く傾向が見え始めている。』と現実的なリスクと可能性を分析されています。

 

例えば、関東と東北エリアでは、県域を越えた自治体が連携して再生エネルギーによる産業振興を進める取り組が始まりました。内容は電力の消費量が大きい都市、横浜市と東北の12市町村が再生エネルギーに関する連携協定を結び、お互いが脱炭素社会と地域の経済振興を目指すというものです。

横浜市の立場は青森、岩手、福島などの12の自治体が生み出した電力を消費する都市として協定を締結していますが、その背景は何か。横浜市、林市長が記者会見で示した資料から分かることは、「2017年のパリ協定の下、今世紀後半の脱炭素化に向けて世界は動いており、再生エネルギーを調達できる環境があるかどうかが、企業立地の競争力や地域経済にも影響を及ぼす時代になる、2050年を見すえ、徹底した省エネと市域で消費するエネルギーを再生可能エネルギーに転換することが必要」という明確な認識があるという事です。

 

  • 高知市もビジョンの示す通り、低炭素社会を目指しているわけですが、パリ協定の意義や再生エネルギーが調達できる環境づくりの重要性について、どう認識されているのか、市長にお聞きします。

 

再生エネルギーが調達できる環境がこれから大事である意義からも、県都高知市が、どういう役割を果たしていけるかも問われてくるところですが、

 

  • 市の新エネビジョン計画の中では新エネルギーの発電自給率を2030年度には23%を目指すとされていますが、現状は何%まで進んだのか、一方で高知市の地理的、資源的条件上、再生エネルギーを生み出すポテンシャル、可能性はどれだけあるのか、目標値の23%を何%まで伸ばせると思いますか、環境部長にお聞きします。

 

色んな形で原発に依存しない再生エネルギーの供給がはじまっていますが、やはり、新たな雇用や収益が地域内で循環していく「地域密着型」を軸とした再生エネルギーの地産地消化が重要だと思います。県内でも自治体が連携した新電力の動きもありますが、

 

  • 県内で一番、電気量を消費している高知市が再生エネルギーの消費地として、県内でも広域的に連携し、電力の地産地消化に貢献していくことも考えられるのではないか、その事は今の新エネビジョンの方向性とも合致するのではないかと思います。地域経済、雇用に資する取組みを今後、真剣に研究できないか、市長の考えをお聞きします。

 

4、国民宿舎「桂浜荘」について       

 

桂浜荘は都市計画公園用地に立地し、歴史的な景勝地に存在する公共財産であり、公益性が最優先される施設として公設公営でスタートしてきました。しかし、赤字解消が求められる中、財政的な効率性や民間ノウハウの活用といった観点などから指定管理事業者に運営を委託してきました。

 平成23年、前回の指定管理の公募の際には、市は地域経済振興の視点を優先して、市の規定に従い「高知市内に主たる営業所(本店・本社)を有し、旅館業法第2条の規定によるホテル営業又は旅館業法の許可を受けており、現在も類似の宿泊施設の営業を行っていること」として、実質、市内事業者に制限した募集を行いました。議会もその意義を認めてきたわけですが、今年の6月市議会・経済文教委員会に報告があったのは、桂浜荘の指定管理事業の応募要件を市内事業者から県外業者を認める要件に変更したいというものでした。県外業者を次回から認めて行きたいという事の前提には、どんな考えがあるのでしょうか。

この間、約28億円の改築費に対して一般会計を18億円も投入してきましたが、次の5年でやっと債務が解消される状況になったと思います。しかし、その5年後には公共施設マネージメント計画に基づく、大規模な修繕費用がかかってきます。当然、続けるのか、どうするのかという判断が問われてきます。桂浜公園の再整備計画の全体にも係わってきます。

 

  • まず、桂浜荘の将来について、どうしていきたいのか、どういう取組みの中で判断はいつ出すのか、市長にお聞きします。

 

続けるかどうか分からない中で、経済文教委員会でも県外公募への指摘や本来、優先されるべき原則を超える公募要件の変更には疑問の声があがっていましたが、市は7月12日に県外を含めた公募を行い、10月上旬には選定委員会を開く予定です。

簡単に県外へという委託ではなく、長期的視点でみれば、地元企業がノウハウをより発揮され、県民、市民、観光客にも愛される場所として、また地域経済の面でも地元企業を大事にすることで、圏域内でお金が循環する流れをより強めることもできると思います。

 

  • 桂浜荘は指定管理の公募を行っておりますが、今後も選定評価においては、特に、県内産業の育成や域内の経済循環を大事する長期的視点が必要だと思いますが、商工観光部長にお聞きします。

 

税金を投入する以上は、市内、県内の産業育成に寄与する形を追及して頂きたい。今後も丁寧に市民や議会に報告して頂き、その中で商工観光部には、出された意見を大事にした取組みを求めておきます。

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