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2021.07.06

オリンピック中止 意見書討論 

2021年6月市議会 提出意見書 討論 はた 

市議第18号、東京オリンピック、パラリンピック開催中止を求める意見書に賛成の立場で討論を行います。
オリンピックの開催について、政府は感染拡大の中での開催が、どのようなリスクをつくり、どのような対策や費用が新たに必要になるのか、国民が理解と納得できる具体的な説明を求めても「国民の命と健康を守るのは私の責任」と同じ答弁を繰り返し、まともに答えません。
今、東京では人手が増加傾向の中、新たな感染拡大が止まらず、感染力・重症化ともに高いデルタ株や新たな変異株も確認され、専門家からオリンピック開催期間中に緊急事態宣言レベルまで感染者数が増加する危険性が指摘されています。
開催まで1カ月を切った現在、政府はオリンピック開催にあたって感染防止のための「バブル方式」を採用しましたが、ウガンダ選手団の感染が判明、合宿受け入れ先の自治体では衝撃と不安が広がり、改めて全国規模の大規模イベントでの感染防止の困難さが証明されました。また、政府はいまだにワクチン頼みのコロナ対策を進めていますが、今後の接種について、ワクチン確保の見通しが立てられず、ずさんな接種計画も明らかになっています。

それでも、政府は21日、専門家が「無観客が望ましい」と提言したにも関わらず1会場、最大1万人、定員50%以下、つまり観客ありでの開催を進めるとしました。競技会場が集中している東京では一日30万人の新たな人の往来が想定され、感染拡大は必至です。
共同通信が19日、20日と行った世論調査では、オリンピック開催による、コロナの再拡大は不安と答えた方が86%に及び、地元新聞の県民調査でも、結果は中止すべきは42.7%、無観客での開催26.4%、観客数を制限しての開催は23.1%となっています。
専門家も、国民も繰り返し危険性を指摘していることがわかります。

改めて、犠牲者が出るリスクや感染により参加できない国や選手が生まれフェアでなくなる事が分かっていて、それでも行うのかと問われていますが、私たちは命より五輪を優先することは許されないと考えています。
本来、政府はコロナ対策にこそ、人も予算も集中させる責任があります。

政府はコロナ禍で命を守っている最前線の医療や地方自治体の実態を知るべきです。
本当に、医療や介護現場の悲鳴が聞こえているでしょうか。
防護服の下には紙おむつをしてトイレさえ行けない方がいます。緊張がつづき体調不良となる医療関係者が増えています。日本看護協会の調べでは看護師の離職が15%にも及んでいるとし「これ以上、感染リスクを上げないで」と訴えています。
また、事業者の皆さんも繰り返す自粛営業の中で、苦しい実態を訴えています。
市内のある歯医者さんは、31年間、頑張ってきたが、コロナが追い打ちとなり突然の廃業に追い込まれました。働いていた多くの歯科衛生士さんや技工士さん達も失業に苦しんでいると思います。理美容業界の若手経営者は、あらゆる支援金、給付金、貸付を受けながら1年半頑張ってきたけれど「もう借金もできない限界です。次の給付金がなければもたない。」と訴えています。また、高知特産の花々を生産する農家の方も単価の値崩れを心配し、大事に育てた花を泣く泣く捨てたと聞きます。
観光バスやタクシー業界の方も「コロナ以前との比較で、今でも仕事が7~8割も減っている、車庫に止まったままの車を見ると辛い」と言います。
明らかに、政治に対し、世論はコロナ対策に全力を注ぎ、大事な税金は暮らしや地域経済の為に優先すべきと訴えています。

さらに、述べたいのは、スポーツやオリンピックには素晴しい力があります。
しかし、過去には、権力側が体制保持、国威発揚の道具としてきた歴史、教訓があります。
スポーツの政治利用は絶対にしてはならない事で、政治に関わる者なら共通認識だと思いますが、菅首相は4月20日の衆議院本会議で「コロナに打ち勝った証として五輪を開催する」と発言しました。この政治姿勢がいかに問題なのか、1925年に採択されたオリンピック憲章に示されています。
オリンピックは人生の哲学であり、スポーツ・文化と、教育を融合させることで、努力のうちに見出される喜びや、良い手本となる教育的価値、社会的責任など、様々な価値と尊厳、責任があるとし、またスポーツが人類の調和のとれた発達に役立つ事にあるとされています。そして、その目的は人間の尊厳保持に重きを置き、平和的な社会を進める事とされています。
 つまり、どんなに素晴らしいスポーツであっても命や人権を犠牲することは、してはならいという事です。
日本オリンピック委員会理事で、筑波大学教授、ソウル五輪では女子柔道のメダリストでもある山口香さんは、研究者として、岩波新書の著書「コロナ後の世界を生きる~私たちの提言~」の中で、コロナ禍でのスポーツ、五輪について語っています。
その中心は、政治支配のスポーツや五輪であってはならない、というもので、SNSなどを通じてアスリートへの批判がある事にも触れ、ひるまずに当事者の声を発信して欲しいとしながらも「スポーツ・五輪は社会と乖離してはならない。社会で認知され、信頼を得られてこそスポーツの力や価値が生かされる」また、「金メダルの為に必要という事だけでは理解は得られない、多くの人が生活に困窮し、倒産する企業もある中で、五輪は特別だとは言えない。リーマンショックの際には多くの企業が倒産してスポーツチームを解散した」と語り、だからこそスポーツ界やアスリートが言葉を、持たなければならないと話します。
そして「改めて、世界が平穏な日常を担保しているからこそ、行えるイベントなのだと痛感した」と話し、最後に「ワクチンや新薬が開発され、以前のようなスポーツ活動が行える日が来るだろう、その時に以前の姿を取り戻すのではなく、進化した新たなスポーツやオリンピックを示すことができれば、コロナによって立ち止まった時間も無駄にはならない」と締めくくっています。

政府はスポーツ界やオリンピックの尊厳を真に守る立場に立ち、社会進歩、人類の平和の為に全力でコロナ対策を進めるべきであり、命を犠牲にする判断は許されません。
政府が強行姿勢をつづける中、止められない、仕方がないと思っている方も居るかもしれませんが、人間が行う事業は自然災害と違って止められます。

よって、政府に対し、専門家の科学的な根拠に基づく指摘や国民世論、命の危機と向き合う医療機関や保健所、自治体などを守るためにオリンピック・パラリンピックの開催は中止する事を求めます。

各議員の賛同を求めまして、意見書に賛成の討論といたします。

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