花が嫌いのわけ
「花が嫌いなの」と。89歳の女性が背中を丸めて借家の草をむしりながら話す。どうしても理由が知りたい。「こんなに綺麗な花だよ、なんで嫌いなの?」と、私も一緒にしゃがみ草をむしりながら聞いてみた。
戦争当時は小学校5年生、大工の家に生まれ7人兄妹の長女として懸命に家の手伝いもした。戦況が悪化し、グラマンと呼ばれたアメリカの戦闘機があぜ道を歩くお婆さんたち少女を撃ってきた。防空壕に逃げ込んだら「あんたらのせいで家が狙われる」と言われた記憶。
食料の買い出しを父さんに頼まれた時、少女は花に魅かれた。買って帰ると「大事な金で、なぜ花を買うたか」こじゃんと怒鳴られた。涙は枯れた。「その時から、私は花が嫌い、お父さんも嫌い、戦争は大嫌いよ」と言う。そして憲法守れの署名を書いた。この話を伝えたい人がいる。それは「仁比そうへい」日本共産党の参議院比例候補と「松本けんじ」高知・徳島選挙区候補に。
戦後77年、花を嫌いでいなければ、いけなかったお婆さんの人生を。仁比さんは弁護士として「寿命が削られても平和憲法は守る」と書いた。二人は通じるはず。
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