最終日、討論を行いました。 市議会の質問などは高知市議会のHPから動画で見れます。
市民クラブ提出の市議第16号、旧統一協会等による被害の防止・救済を求める意見書と日本共産党提出の市議第17号、政界と統一協会との癒着疑惑の解明とその被害救済を求める意見書に、賛成の討論を行います。
1955年、韓国に設立された世界キリスト教統一神霊協会(通称・統一協会)は1958年に日本に入り、翌年日本でも団体が設立され、1964年には宗教法人の認可を受けてその後2015年には世界平和統一家庭連合と名称変更を行い、現在に至っています。
統一協会の教義とは、「祝福」と称して人類の救済の為には、血分けや血統転換が必要だと教え、集団結婚をさせることや「万物復帰」の名で不幸の原因が先祖にあるとして、その解決に多額の献金を必要とし、壺や印鑑、聖本などを高額で買わせる霊感商法を行ってきました。
信者2世の被害も含め、統一協会の違法性や異常性を示す実態が、今の報道を通じて明るみになっています。山上容疑者が事件を起こした動機や言葉にも現れていますが、多くの被害者が共通して「多額の献金で家庭が崩壊した」「貧乏に追い込まれ人生を壊された」「献金しないと地獄に落ちると言われた」など、宗教とは全く無縁の献金や収奪の実態を被害者たちは訴えています。
これは高知でも聞かれる実態です。人を騙し、破産へ追い込み、家族を崩壊させきた統一協会を相手に、争われてきた民事や刑事事件は多数あり、有罪判決も出されています。
2007年11月の沖縄県警を皮切りに長野、新潟、大阪、大分、福岡、東京、和歌山などでは警察による摘発が行われ39人が霊感商法で逮捕。2009年には全員が信者である印鑑販売会社「新世」による、信仰のためとした高額な印鑑販売が霊感商法であるとして、初の懲役判決有罪となりました。その後、統一協会は2009年にコンプライアンスを徹底するとしましたが、
被害者の訴えについて、全国霊感商法対策弁護士連絡会は統計を取り出した1984年以降の相談数は3万4千件を超し、被害総額も約1200億円を越え、これは氷山の一角であり、2009年以降も手口を変えて献金させるなど被害は明らかに存在すると」報告しています。
先日の9月22日に統一協会側が行った記者会見で「コンプライアンス宣言後は一切、霊感商法で訴えられたことはない」などと発言していますが、相談の実態からもウソであることは明らかです。
また、政府が9月5日設置したばかりの相談窓口では、ひっきりなしに電話がなり、救済支援の必要があると法務大臣も発言しました。信者2世の被害を含めた救済支援の法整備など、その対応は急がれています。
それだけではありません、選挙や政治家との関係も非常に問題です。憲法20条には政治と宗教の関係について、「信教の自由は何人に対しても、これを保障する。いかなる宗教団体も国から特権を受け又は政治上の権力を行使してはならない」とあり、政治と宗教は分離されるとされています。
日本共産党としては、宗教的権威をもって信者に特定政党とその候補者への支持を押し付けることは厳しく批判されるものと考えます。
7月11日、世界平和統一家庭連合の田中とみひろ会長は日本外国特派員協会の記者会見で、LGBTや夫婦別姓、憲法改定などで、法人として政治へどう影響を与えてきたかと質問を受け、「政治に友好団体が強く姿勢をもって関わってきた事は事実」と述べ、さらに政治家との関係性について聞かれ、共産主義と敵対する姿勢を、「明確にしている政治家とは手を合わせてきた」と発言をしました。
統一協会が友好団体と認める「勝共連合」も、その実態が解明されるべきです。
勝共連合は統一協会と一体で、反共産主義を掲げ、政界への関係を深めてきた歴史があります。
マルS作戦と言って陣中見舞いと称してお金を渡したり、無償で政治家に秘書を送り込んだり、様々な形で選挙や政治に関わっていることも、この間指摘されてきました。
統一協会や勝共連合と、政界との関係は、安倍元首相のおじいさん、岸のぶすけ元首相の時代まで遡ります。1992年にはアメリカの脱税有罪事件の張本人である文鮮明氏を超法規的な力で、入管法をねじ曲げ日本に入国をさせました。同年の集団結婚には中曽根元首相から祝辞が送られ、2015年には、それまで文化庁・宗務課が認められないとしてきた名称変更が下村文科大臣の下で認められ、2021年は安倍元首相が天宙平和連合へビデオメッセージを送っています。
権力の中枢に位置する政治家たちが統一協会にお墨付きを与えてきました。
国政だけに留まらず、地方議員との癒着も問題になっていますが、政治家がこういった反社会的団体と繋がり広告塔の役割を果たしてきた背景には、自民党の政権が統一協会と反共産主義で一致し、政教分離の原則を踏み越えることを認め、実行してきた歴史があるからです。
9月に自民党が行った内部点検では、自民党の半数を超える国会議員が選挙支援など何らかの関係があったと報告しましたが、細田ひろゆき衆議院議長が点検対象から外されている問題が指摘され、昨日、選挙支援を受けていたと認める文書が出されました。さらには、高市早苗・経済安全保障担当大臣が主催した政治資金パーティーでは、統一協会の関連団体がパーティー券を購入していた疑惑が報道されました。
また、岸のぶお前防衛大臣や萩生田光一自民党政調会長なども選挙協力を受けていたことを自らが認めています。他にも、自民党の青山繁晴参議院議員はテレビの取材に対し、前回の参議院選挙でも自民党による「旧統一教会票の割り振りがあった」と証言しましたが、安倍元首相や自民党が統一協会の票を差配していたとう重大な事実も見えてきました。
これらの疑惑に対して、世論調査では7割以上の国民は、統一協会と政治家との関係について「十分な説明がされていない」と回答しています。しかし、自民党や岸田政権は「今後一切の関係を絶つ」と宣言しただけで、その全容は説明しないと言う態度です。
これは重大な組織的隠ぺいであり、解明こそ必要です。
今回の意見書案は、憲法20条の政教分離の原則にも照らして、被害の拡大を抑え、被害者救済と疑惑の解明、説明責任を求めるものです。
以上の理由から、同僚議員の賛同を求め、市議第16号と、17号に賛成の討論といたします。