環境問題 土佐市の学校給食米産地で廃プラ焼却事業
住民、農家 県に悲痛を訴える!
「なぜ、県の補助金でるのか」「近隣住民も同意してない」「業はしないで」
県、「業許可を検討中、判断を近く出す」
土佐市で何が起きているのか。現地に通い、住民や役場、民間事業者の話を聞いてきました。
今年の1月、土佐市東鴨地に民間事業者による、中間処理施設が建設されました。住民の多くが知らないままに廃プラ等焼却施設の建設が行われました。その後、説明会が何度か開かれてはいますが、不安の声が広がり5月には、土佐市と事業者が「環境保全協定」を結び、住民の声を聞き、環境悪化をさせない約束を書面上、結びました。この間、調査をする中で、次々と問題が見えてきました。
なぜ、この場所で廃プラ焼却業を行うのか
ここは岩戸米や生姜、ネギ、柑橘類の生産地で、お米は給食米として近隣の12校もの小中学校で子ども達が食べています。焼却施設の場所はまさに減農薬など特別栽培米などもあり、土佐市が特段の配慮をする農用地のど真ん中です。住民は風評被害の影響は大きいと指摘しています。
なぜ、県補助金2500万円が出たのか
この補助金は経営難の事業者を支える県の補助制度です。事業者は「中間処理業」として将来的に県内全域から廃プラ等を受入れ焼く商売をするとし、昨年の8月に、県へ補助金申請を行い、翌9月には交付決定が出され、12月頃から、焼却施設の工事を始めています。つまり、業(他者から受け入れる商売)だから補助金が出たと言う事です。
なぜ、事前説明なく施設整備がOKか
ここが大きな問題点です。業を行う中間処理施設の場合は、県の産業廃棄物指導要綱の規制対象となります。第3条の事業者の責務として「事前協議の策定に当たり、関係市町村及び地域住民への説明を行うこと」とあり、建設前には住民への説明や同意をとることが前提条件とされています。しかし、実態は住民には説明がありませんでした。
では、なぜ許されるのか。県は、事業者からの「自家処理」申請が、「業許可」申請より先に提出されたから、県の指導要綱の対象外になるとして、事前説明等がなくても問題ないと説明しています。この解釈、見立てがおかしいわけです。「自家処理」とは、自分の所のゴミを焼く事で、その場合は許可はいりません。しかし、事業者は住民や県に対し「自家処理後に中間処理業を行う」と説明し、また昨年8月の補助金申請の計画書でも「中間処理業を行う」としています。つまり、「自家処理」が目的ではありません。だからこそ、県は中間処理業として、指導要綱に基づく対応をすべきと考えます。
なぜ、同意撤回なのに、業許可を出せると言うのか
今年5月に業の許可申請が県へ出されていますが、県の指導要綱6条で「住民同意」が必要とされた3人の内2人が業許可への同意を撤回すると県に提出しています。県は「違法でない、業許可は出せる」と回答しますが、それはなぜなのか。県は、説明や同意等は法律の条件ではなく県の指導要綱の条件なので「違法ではない」と言います。しかし、県の補助金を活用している以上は、業許可の判断においても県の指導要綱に基づく対応をこの点でもすべきと考えます。
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